エクサウィザーズ、中国電力の三隅発電所で燃料運用AIを本格稼働

■熟練者のノウハウを数理モデル化、安定供給とコスト最適化を両立

 エクサウィザーズ<4259>(東証グロース)は11月7日、中国電力<9504>(東証プライム)の三隅発電所において、石炭火力発電所の燃料運用を高度化するAIシステムを開発し、本格運用を開始したと発表した。同システムは「炭質評価システム」と「石炭サイロ運用支援システム」で構成され、石炭やバイオマス燃料の最適ブレンド比率の算出から貯炭サイロの受払計画まで一連の業務を自動化し、燃料コスト削減と安定運転の両立を図る。わずか90分で約4000通りの燃料混焼パターンを評価でき、従来2〜3日かかっていた作業が大幅に短縮される。

 三隅発電所では18基の貯炭サイロを管理しながら、燃料の発熱量や在庫、設備補修、石炭船の滞船防止など複雑な条件を踏まえた運用計画が必要であり、従来は熟練社員に依存していた。AI導入により、属人化していたノウハウを継承しつつ、高精度の計画策定と業務標準化を実現する。さらにバイオマス燃料の混焼にも対応し、CO2削減や燃料調達のリードタイム短縮にも寄与する。

 石炭サイロ運用支援システムでは、炭質評価の結果を基に最適なブレンド比率を選定し、3カ月分の受払計画を30分程度で自動作成できる。中国電力は今後、外航船の配船計画支援システムへの展開も視野に入れ、燃料調達の更なる最適化を進める方針である。エクサウィザーズはエネルギー分野でのAI活用を通じ、グリーントランスフォーメーション(GX)や社会課題解決への貢献を目指すとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■7日間摂取試験でBCAAやタウリン増加、血液健全性を維持  吉野家ホールディングス<9861>(…
  2. ■日本味と匂学会で優秀発表賞を受賞、応用研究に期待  花王<4452>(東証プライム)は9月24日…
  3. ■GHG削減価値をデジタル証書化、荷主に割り当て  商船三井<9104>(東証プライム)は9月19…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  2. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  3. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  4. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…
  5. ■全市場のわずか1.4%、希少な高配当利回り銘柄が浮上  株式市場では、高配当利回りを持つ10月決…
  6. ■「高市祭り」への期待と警戒交錯、資金は安定配当株へシフト  10月終盤相場は、「高市祭り」か「高…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る