【マーケットセンサー】AI株調整でバリュー株に資金移動、巨大テックの勢い一服

■日米市場で資金シフト鮮明、投資家心理はAI継続に揺れる

 AI関連株の高騰が一服し、東京市場では資金がバリュー(割安)株へ移行しつつある。日経平均株価を史上最高値に押し上げたソフトバンクグループやアドバンテストなどの巨大テック株が高値波乱に見舞われ、前週には相場全体を押し下げる要因となった。投資家の間では「AIの次はバリュー株」との見方が強まりつつあるが、その持続性には疑問も残る。

 米国市場では巨大テック企業による何兆円規模のAIインフラ投資が過熱気味とされ、採算懸念が浮上している。メガバンク幹部がAI株の20%調整を警告したとの報道もあり、投資家心理はやや冷え込んでいる。東京市場でもAI関連株の換金売りが進みやすい時期を迎え、需給悪化が懸念されている。

 一方で、高市内閣がAI・半導体・核融合などを成長戦略の柱とする「危機管理投資」を本格化させる構えを見せており、関連セクターの中長期的な成長期待は依然強い。決算シーズンを迎える中、業績上方修正にもかかわらず株価が急落する例も見られ、バリュー株投資の選別難も浮上している。市場では「AIの次はバリュー株」か、それとも「やっぱりAI」か、投資資金の行方をめぐる思惑が交錯している。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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