トヨタ、水素エンジン技術を強化、液体水素GRカローラで最大出力走行に挑戦

■24時間レースの成果踏まえ耐久性と出力向上を検証、カーボンニュートラル実現へ歩み加速

 トヨタ自動車<7203>(東証プライム)は11月14日、同社が15日~16日に開催される「ENEOS スーパー耐久シリーズ2025 第7戦 S耐FINAL大感謝祭」において、水素エンジン技術のさらなる進化に挑戦すると発表した。レースには液体水素を燃料とする「#32 TGRR GR Corolla H2 concept」が出走し、ポンプ交換なしで完走した前回24時間レースの成果を踏まえ、今回は最大出力での連続走行に挑む。また、液体水素技術の可能性拡大を目的に、液体水素ポンプ用超電導モーターを搭載した車両の走行段階に到達しており、タンク容量1.3倍超の拡大や航続距離向上、軽量化・低重心化による走行性能向上などの効果が確認されている。液体水素の極低温環境と超電導技術の親和性を生かし、水素エンジン車の性能向上を図る狙いである。

■米国生産車3モデルを展示し、日米モビリティ文化の架け橋を強化

 さらに、同イベントでは一般社団法人日本自動車会議所が主催する日米自動車文化交流企画と連動し、米国生産の「カムリ」「ハイランダー」「タンドラ」の3車種を展示する。日本では販売されていないモデルを実車で体感する機会を提供し、日米の自動車文化交流の深化を目指す。併せて、NASCARのデモランや新クラス「ST‐USA」創設構想を含む関連リリースも公開され、モータースポーツを軸とした国際的な交流が広がりを見せている。

 トヨタはカーボンニュートラル実現に向けたマルチパスウェイ戦略を掲げ、水素を含む多様な選択肢の開発を推進している。液体水素エンジンの耐久性向上や超電導技術の実装は、同社が目指す「マイナスからゼロ、そしてゼロを超えた価値創出」の象徴的取り組みであり、持続可能なモビリティ社会の実現に資するものと位置づけられる。同社は創業精神とSDGsに基づき、今後もモビリティカンパニーとして革新的技術の開発を続けていくとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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