日本ドライケミカルが自動消火装置「マシンセーフ」発売、製造現場の火災対策を強化

■省スペースで後付け可能な自動消火装置、温度監視で24時間対応

 日本ドライケミカル<1909>(東証スタンダード)は11月20日、局所的な発火に迅速対応する自動消火装置「マシンセーフ」の販売開始を発表した。工作機械や製造装置を対象に、温度センサ(サーミスタセンサ)が温度上昇を検知すると放射ノズルから消火薬剤を自動放出する仕組みで、手動操作にも対応する。薬剤容器・起動部・制御部を一体化した省スペース設計を採用し、電源はリチウム電池を使用するため電源工事が不要で、停電時も稼働可能とした。製造現場で増加傾向にある火災リスクに対し、設備内部の狭隘空間にも導入しやすい構造を特徴とする。

 同製品は24時間の温度監視機能を備え、夜間や無人運転中でも発火を検知して自動消火を行う。温度設定は70〜200℃で調整でき、2つの温度センサを組み合わせたAND/OR条件での起動設定も可能とした。移報出力機能により外部システムとの連動にも対応し、警報・火災・異常の3種類の信号を設定できる。さらに本体から最大4.5mの銅管を延ばして消火薬剤を噴射できるため、ダクト奥部や複雑構造の装置内部といった従来設置が困難だった箇所にも対応可能である。これにより、火災時の被害拡大を抑え、生産ライン停止や装置損壊といった事業継続上の損失を軽減することが期待される。

 消火薬剤は「粉末(ABC)」と「二酸化炭素」の2種類を用意し、防護対象物に応じた選択が可能である。二酸化炭素は残渣が残らず電気機器への影響が少ない点が特徴で、小型工作機やNC旋盤などに適する。一方、粉末(ABC)は木材、インク、潤滑油や排気ダクトなど幅広い対象物に対応し、高い消火効果を発揮する。設置環境に応じて格納箱も用意され、外部衝撃や汚れから装置を保護できる。製造現場における火災リスクとBCP対応の重要性が高まる中、装置内部の発火を瞬時に制御するための実用的な選択肢として存在感を強めそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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