東宝、『国宝』が邦画実写歴代1位、興収173.7億円で22年ぶり更新

■『踊る大捜査線2』超え、1231万人動員で実写邦画の新記録樹立

 東宝<9602>(東証プライム)は11月25日、同社配給作品『国宝』が歴代興行収入ランキングで邦画実写No.1を達成したと発表した。公開172日間で観客動員数1231万1553人、興行収入173億7739万4500円に到達し、興行通信社調べの実写邦画記録を更新した。2003年公開の『踊る大捜査線 THE MOVIE 2』の173.5億円を上回り、22年ぶりの新記録となった。

 『国宝』は吉田修一氏の小説を原作とし、李相日氏が監督を務め、吉沢亮氏をはじめとする豪華キャストが出演する話題作である。今回の達成は長期間にわたり高い動員力を維持した結果であり、同作が日本映画市場において歴史的成功を収めたことを示すものとなった。東宝は作品概要とともに公式サイト、各種SNS情報を公表し、関連情報の拡大を図っている。

■上期営業収入1916億円、純利益334億円、映画・アニメが寄与

 公表された第137期中間期株主通信によれば、東宝グループの上期業績は映画事業の大幅な増収増益を中心に、営業収入1916億7千7百万円(前年同期比17.1%増)、営業利益411億4千6百万円(同0.6%増)、純利益334億5千万円(同26.3%増)と過去最高を更新した。「鬼滅の刃」シリーズや『国宝』を含む同社配給作品が記録的ヒットとなったほか、「名探偵コナン」「TOKYO MER」など複数の作品が興行を牽引し、年間興行収入の歴代記録も最速更新となった。

 東宝は上期の上振れを踏まえ、通期業績予想を営業収入3600億円、純利益475億円へ上方修正した。下期は細田守監督作「果てしなきスカーレット」や「恋愛裁判」などの公開を予定し、アニメ作品では「呪術廻戦」「葬送のフリーレン」など注目作が控える。さらに2026年から米ワーナー・ブラザース作品の国内配給を担う体制を整え、グループ理念体系の刷新を公表するなど、持続的成長と企業価値向上に向けた取り組みを進めている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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