
■利益率悪化で構造改革強化、大規模リストラでコスト基盤を刷新
HP(ヒューレット・パッカード)(NYSE:HPQ)は11月25日、2025会計年度および第4四半期決算を発表した。通期の純収益は553億ドルと増収を確保したものの、GAAP希薄化後EPSは2.65ドルで前年から減少した。非GAAPベースでも3.12ドルと減益であり、インフレや調達コスト上昇などの逆風が収益性を圧迫した。第4四半期も増収ながら利益は縮小し、同社は利益改善に向け構造改革の実行を急いでいる。
同社は2028会計年度末までに総稼働率コストを約10億ドル削減する全社的取り組み「2026会計年度計画」を公表した。再編費用やその他の費用として約6億5000万ドルを見込み、うち2026年度には約2億5000万ドルを計上する予定である。コスト削減の中核は人員削減であり、世界全体で4000〜6000人の従業員を削減する見通しを示した。あわせてプラットフォーム統合や業務プロセスの簡素化、生産性向上策を進め、構造的なコスト基盤の圧縮を図る。
同社はAI搭載デバイスやソリューションへの投資を継続しつつも、利益率改善には人件費削減が不可欠と判断している。経営陣は、これらの再編措置が長期的な収益性とキャッシュ創出力の向上につながると強調する。株主還元は通期で19億ドルに達し、四半期配当も1株0.30ドルに引き上げたが、成長戦略の中心は「コスト構造の立て直し」である。同社は2026年度以降の利益改善を目標に、実行力と規律を重視した運営体制へ移行する姿勢を鮮明にしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)























