三菱重工、英国初のセメント工場向けCO2回収設備受注、年80万トン回収

■ハイデルベルク・マテリアルズとウォーリーと連携、2029年運転開始

 三菱重工業<7011>(東証プライム)は12月8日、英国初となるセメント工場向けCO2回収プラントを、ハイデルベルク・マテリアルズ社からウォーリー社と共同で受注したと発表した。建設地は英国ウェールズ・フリントシャー州のペイズウッドセメント工場で、運転開始は2029年を予定する。英国政府と同社の最終投資決定を受け、三菱重工のCO2回収技術が採用された。

 同プロジェクトでは、三菱重工独自の「Advanced KM CDR ProcessTM」を欧州で初めて適用し、年間約80万トンのCO2を回収する。回収したCO2はパイプラインで輸送され、「HyNet CCUSクラスター」の一部として、英国リバプール沖の枯渇ガス田に恒久貯留される。英国内のセメント生産でCCSを導入・運用するのは初となる。

 三菱重工とウォーリー社は2024年から基本設計を担当し、EPC段階では三菱重工と欧州・中東・アフリカ拠点が主要機器などの設計・調達を担う。プロジェクトは既存約200人の雇用維持に加え、新たに約50人の正規雇用と、建設中に最大500人規模の雇用創出が見込まれる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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