【近況リポート】データセクションの株価は安値圏で推移

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■下半期以降の新規ビジネスの業績貢献が予想され、株価の反発は近い

 データセクション<3905>(東マ)の株価は、500円から600円の安値圏で推移しているが、下半期以降の新規ビジネスの業績貢献が予想されることから、株価の反発は近づいているものと思われる。

 11月13日に発表した。16年3月期第2四半期連結業績は、売上高1億83百万円(前年同期比4.0%増)、営業利益△0百万円(前年同期39百万円)、経常利益04百万円(同40百万円)、純利益02百万円(同28百万円)と増収ながら、下期以降の新規事業立ち上げのために22名を採用したことから、人件費等が増えたこともあり、大幅な減益となった。このことが、株価が低迷している要因といえる。

 当社は、創設以来、蓄積してきたビッグデータの処理・解析技術を基に、SaaSサービス事業、リサーチコンサルティング事業、ソリューションサービス事業を企業向けに提供している。新規事業の取組には積極的で、第2四半期以降次々と発表されている。

■下期に入って次々と新規事業を立ち上げる

 11月16日には、子会社「データセクションベトナム」が、ベトナム国内で、TV広告ビジネスにおける、広告枠紹介・販売の最適化支援事業を開始することを発表した。データセクションベトナムが培ってきた、現地でのTV視聴に関する視聴者分析や、消費者分析を活用し、広告主の商品・サービスに最適な広告枠選定や、効果的なプロモーションの支援を行う。この事業により、日系企業の海外進出を支援する。

 また、同日に、共同通信グループの共同通信イメージズとデジタルコンテンツ提供事業で業務提携を発表した。事業内容は、報道機関向けデジタルコンテンツ提供サービス「一報システム」を協業サービスとして開始することを皮切りに、デジタルコンテンツ提供事業分野において共同研究開発を進めていく。

11月27日には、スプリンクラージャパンとの業務提携を発表した。スプリンクラージャパンの親会社である米スプリンクラー社はソーシャル・ビッグデータが、企業のデジタルマーケッティングへの活用が進んでいることから、いち早くその点に注目し、SNSを利用したソーシャルメディアマネジメントプラットフォーム「Sprinklr」の開発と提供を行ってきた。今回、同社が日本進出するにあたって、日本の先駆者であり、日本国内の多くの企業に対して、ソリューションを提供してきた当社と業務提携を行うことになった。

 11月30日には、当社の子会社であるソリッドインテリジェンスが、訪日外国人向けインバウンドビジネスを行う企業・団体に対する、訪日外国人調査レポートサービスの提供を開始することを発表した。

以上のように、下半期に入って、次々と新規ビジネスがたちあがっている。

 したがって、当社の今期3月期業績は、新規事業の動向次第で大きく左右されることから、レンジで予想している。売上高は4億円~9億円(前期比6.3%増~2.39倍)、営業利益17百万円~4億01百万円(同80.1%減~3.68倍)、経常利益3000万円~4億1400万円(同65.1%減~4.82倍)、純利益1500万円~2億4500万円(同76.3%減~3.87倍)と見込んでいる。

 今期は、新規事業だけで少なくとも4億円の売上増などが見込まれることから、3月通期業績も、レンジ上限近辺で着地し、大幅増収増益となるとの期待が高まっている。

■株価は500円台前半の安値圏で推移

 株価は、IPO時の公開価格520円に対して900円で初値をつけ上場来高値1730円まで買い進まれ公開価格比3.3倍の大化けをした。その後も新規事業開始で急伸する場面もあったが、今期に入って業績が伸び悩みペースで推移し、世界同時株安などの波乱相場も波及して上場来安値476円へ突っ込んだ。同安値からは、公開価格割れは下げ過ぎとして底上げ、693円の戻り高値をつけた。しかし、12月15、16、17日と500円台前半の安値圏で推移している。

 ビッグデータの処理・解析では一日の長があることから、株価の反発は近いものと思われる。

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