【編集長の視点】サンセイランディックは変わらずも1Qの順調な仕入高を見直し内需系超割安株買いが再燃気配

 サンセイランディック<3277>(東1)は、前日12日に前週末比変わらずの778円で引けたが、25日移動平均線での保ち合いに煮詰まり感を強めた。今年5月15日に発表した今12月期第1四半期(2017年1月~3月期、1Q)業績で、不動産販売事業の仕入高が、前年同期比38.6%増と順調に推移したことを手掛かりに今期通期業績の連続過去最高を見直し、内需系の割安株買いが交錯した。テクニカル的にも、今年2月につけた年初来高値817円から調整一巡の目安とされる4カ月がほぼ経過し、高値期日向かいが意識されている。

■1Qの底地仕入は前年同期比96%増、居抜きの仕入も93%増と大幅増

 同社の1Qの不動産販売事業の仕入高は、昨年停滞していた本社でまとまった規模の仕入を行い、底地が9億9000万円(前年同期比96.4%増)、居抜きが8億900万円(同93.0%増)と大幅に増加し所有権の仕入高の減少をカバーして、合計で18億600万円(同38.6%増)と前年同期の44.2%減から大きく回復した。建築事業の受注高も、2億8000万円(同14.7%増)と順調に推移した。

 1Q業績そのものは、売り上げ21億200万円(同11.7%減)、営業利益1億3200万円の赤字(前年同期は1億9000万円の黒字)、経常利益1億4500万円の赤字(同1億6600万円の黒字)、純利益1億3200万円の赤字(同8400万円の黒字)で着地したが、前期の仕入の不調で今期業績が下期偏重となるとする想定通りの進捗となった。今12月通期業績は、今期1Qの仕入が回復し、第2四半期以降も大型物件の仕入を予定、底地販売が第2四半期以降に増加するため期初予想に変更はなく、売り上げ144億4800万円(前期比17.5%増)、営業利益14億6600万円(同1.4%増)、経常利益13億7400万円(同3.4%増)、純利益9億2900万円(同8.9%増)と前期に続く過去最高更新を見込んでいる。配当は、年間15円(前期実績12円)へ連続増配を予定している。

■25日線からPER6倍台、PBR0.9倍の修正で年初高値を上抜き昨年3月高値も視野

 株価は、昨年末の前期配当権利落ち後安値703円から前期業績の上方修正を歓迎して年初来高値817円まで100円超高し、その後の地政学リスク懸念による全般波乱相場の波及で729円と下値を試したが、下げ過ぎとして25日移動平均線までリバウンド、同移動線を出没する三角保ち合いに煮詰まり感を強めてきた。高値期日からほぼ4カ月と調整一巡感も示唆しており、PER6倍台、PBR0.9倍、配当利回り1.92%の超割安修正で年初来高値抜けから、昨年3月高値1057円へのキャッチアップを目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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