マルマエ:公募増資と自己株式の処分など資本調達

■中長期的収益力強化・財務基盤の強化に充当

 半導体・FPD製造装置用の真空部品など、精密切削加工のマルマエ<6264>(東マ)は、好業績を背景として株式の分布状況の改善と流動性の向上を図るため、積極的に自社株政策に取り組んでいるが、24日(月)開催の取締役会で、公募増資と自己株式の処分及び株式の売出しを行うと発表した。
 昨日の市場では1株当たりの利益希薄化懸念で売られたが、同社の積極的施策展開、売上高増大など先行き期待で高値1、501円まであり引値1,491円続伸した。出来高316,600株。

 同社が開示した新株発行、自己株式処分及び株式売り出しの内容は、1)公募増資(一般募集)普通株式56万株、2)自己株式の処分(一般募集)が普通株式656,700株、それに、3)第三者割り当てによる新株式発行(上限182,500株)をオーバーアロットメントによる売出しとして第三者割当増資を行う、ものである。

■投資需要拡大続く~半導体:微細化投資・FPD;10.5世代大型パネル

 同社を囲む環境は、主力販売分野の半導体業界(ロジック系半導体)では、微細化投資が続き、さらに、データセンターサーバーのSSD化等の需要拡大、3D NANDへの投資拡大が続く。また、FPD業界は国内の中小型液晶パネル向けが一時低迷したが、中国向け第10.5世代大型パネルへ投資需要が拡大し、両分野とも先行き期待が広がる。

 同社は、(1)半導体市場の関連分野及び消耗品分野への拡大、(2)参入障壁の高い部品の受注拡大と低コスト・高品質な生産管理体制の構築に取組、特に、種製造装置の部品製造では複数の工程を一貫受注できる生産設備を増強し、コスト低減、納期コントロール、仕様変更への迅速対応など、少量多品種製造での高度な品質管理に成功している。

 今回の調達資金は、こうした取組みをさらに推進するための資金であり、半導体市場の関連分野及び消耗品分野への拡大、本社と関東事業所の工場増設等、参入障壁を持つ真空パーツの受注拡大など生産設備等の整備、有利子負債の返済など、中長期的観点での収益力並びに財務基盤の強化に充当する。

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