【新規上場(IPO)銘柄】トランザスはSTBやウェアラブルデバイスで高い成長が続く見通し

株式市場 IPO 鐘

 トランザス<6696>(東マ)は、8月9日に東京証券取引所マザーズに上場した。同社は、インターネットと人を繋ぐ終端となる端末であるターミナルと、それらを活用したシステム等をエンタープライズ向けに提供している。IoTソリューションサービスでは、ターミナルの設計・開発から運用保守までの完全垂直統合を実現し、VAR(パートナー)が望むターミナルを柔軟に開発し提供している。IT業務支援サービスでは、顧客が要望する業務システムやIT機器の導入から、それらのメンテナンスまでサポート。販売管理システム、会計システム、在庫管理システムの開発等様々なプロジェクトを幅広く手掛けている。

 今2018年1月期第1四半期は、IoTソリューションサービスでは、ホテル向けVOD用のSTB(セットトップボックス)やサーバを中心に提供しているほか、作業支援分野で、前年度において新たに提供を開始したウェアラブルデバイスの受注獲得を本格的に開始し、パートナーであるVAR(Value Added Reseller)と実証実験を工場や倉庫で開始している。 IT業務支援サービスでは、アプリケーションソフトウェアやシステムの開発及びメンテナンスを提供している。 また、本年2月にシンガポールに販売子会社となるTRANZAS Asia Pacific Pte.Ltd.及び台湾にR&Dセンターとなる台湾支店を設立し、VARを通じて海外メーカーの工場でのウェアラブルデバイスの実証実験を開始している。

 今18年1月期第1四半期業績実績は、売上高2億2100万円、営業利益1900万円、経常利益1900万円、純利益1200万円に着地。

 今18年1月期業績予想は、売上高12億5200万円(前期比19.1%増)、営業利益2億5600万円(同44.1%増)、経常利益2億4300万円(同31.9%増)、純利益1億6600万円(同49.2%増)を見込む。今期から連結決算としたため、単純比較はできないが、営業利益は前期に比べて44.1%増と高い伸びを予想している。年間配当は、成長投資を優先し、無配を予定している。

 株価は、上場2日目の8月10日に公開価格1300円の2.7倍の3510円で初値をつけた後、同日高値3695円と上昇。同社の現在の収益基盤であるSTB・VOD関連の市場が、STBの多機能化・用途拡大やホテル数の増加、動画配信サービスの充実により拡大中で、2020年に向けてホテル数の増加やリニューアルにより、リプレイス需要が見込まれることから、高い人気となったが、短期的な売りに押され14日安値2930円と急落している。STBやウェアラブルデバイスの提供分野への拡大で高い成長が続くとの期待感があり、短期的に突っ込む場面があれば、リターン狙いで買いを考えるところだろう。(株式評論家・信濃川)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■全従業員にAI活用徹底、業務改革を本格化  LINEヤフー<4689>(東証プライム)は7月14…
  2. ■50年以上親しまれたかぜ薬が国内市場から姿を消す?  大正製薬は7月14日、塗るかぜ薬「ヴイック…
  3. ■鈴鹿8耐で新型CBコンセプト登場  ホンダ<7267>(東証プライム)は7月11日、大型ロードス…
2025年9月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■01銘柄:往年の主力株が再評価、低PER・PBRで買い候補に  今週の当コラムでは、買い遅れカバ…
  2. ■日米同時最高値への買い遅れは「TOPIXコア30」と「01銘柄」の出遅れ株でカバー  日米同時最…
  3. ■東京株、NYダウ反落と首相辞任で先行き不透明  東京株式市場は米国雇用統計の弱含みでNYダウが反…
  4. ■株式分割銘柄:62社に拡大、投資単位引き下げで流動性向上  選り取り見取りで目移りがしそうだ。今…
  5. ■金先物相場を背景に産金株が収益拡大の余地を示す  東京市場では金価格の上昇を背景に産金株が年初来…
  6. ■大統領の交渉術が金融市場を左右し投資家心理に波及  米国のトランプ大統領は、ギリシャ神話に登場す…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る