【2025年の「弁当店」倒産動向】倒産55件で過去最多、低価格ビジネスに限界感

■弁当店の倒産が過去最多を更新

 帝国データバンクは2月28日、2025年の「弁当店」の倒産動向に関する調査結果を発表した。仕出しやテイクアウトを中心とする弁当店の倒産件数(負債1000万円以上、法的整理)は55件となり、前年の52件を上回って過去最多を更新した。2024年に続き2年連続の最多更新である。個人店の廃業などを含めれば、実際にはより多くの弁当店が市場から退出した可能性がある。原材料高騰や競争激化を背景に、中小弁当店の淘汰が進んでいる実態が浮き彫りとなった。

■需要減とコスト高が経営を直撃

 弁当店を取り巻く経営環境は厳しさを増している。会議や法要、冠婚葬祭などの大口受注の減少に加え、テレワークの普及により事業所向けランチ弁当の需要が低下した。さらに、原油高や円安、ウクライナ情勢の影響を受け、鶏肉、食用油、小麦粉などの食材価格が高騰し、近年は特にコメ価格の上昇が経営の大きな負担となっている。加えて、調理人や配送人材の確保が難しく、人件費の上昇も経営を圧迫している。

■コンビニ弁当との競争激化

 市場競争の激化も経営悪化の要因である。コンビニやスーパーの弁当の品質向上に加え、ドラッグストアの総菜分野への参入やフードデリバリーの普及により、持ち帰り弁当を巡る価格競争は激しさを増している。低価格帯を主力とする中小弁当店は、スーパーなどが販売する500円以下の弁当と競合し、値上げが難しい状況にある。コンビニとの競争激化やコロナ禍によるイベント需要の減少、原材料価格の上昇が重なり、仕出し弁当店「おはらフーズ」(鹿児島)は最終的に事業継続を断念した。

■弁当市場は価格戦略の二極化へ

 弁当事業を手がける企業の損益動向をみると、2025年度は赤字と減益を合わせた「業績悪化」が64.8%に達し、多くの企業で利益確保が課題となっている。食材費の比率が高い弁当ビジネスでは、値上げすれば客離れが進み、据え置けば利益が縮小するという板挟みに直面する構造がある。今後の弁当市場では、「こだわりの米」や「管理栄養士監修」など付加価値を高めた高単価弁当と、セントラルキッチンの活用などで500円台を維持する大手チェーン型の低価格弁当の二極化が進むとみられる。安さを売りにした従来型ビジネスの転換が問われている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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