伊勢志摩サミットは4月10日の外務大臣会合からスタート、セキュリティ関連株の出番は意外に近い?!=浅妻昭治

編集長の視点

<マーケットセンサー>

 もちろん「水と安全はタダ」と考えているわけではない。最近は、水だって水道の栓を捻って蛇口から水を飲む人を見掛けず、わざわざ自販機からペットボトル入りのミネラルウオーターを買う姿が目立つようになっているからなおさらである。ただし安全コストや社会コストは、四方を海に囲まれる島国で海洋国家の日本と、大陸国家として長い国境線に接して陸続きで、移民・難民問題を抱える欧州各国とではスケールがやや異なるはずだ。

 だから昨年11月のフランス・パリの同時多発テロ、今年3月22日のベルギー・ブリュッセルの連続テロと続いた痛ましいテロ事件が、直ちに国内に連鎖する可能性は大きくないと思いたいし、あんな惨事を想像しただけで身震いが出る。しかし、グローバリゼーションの時代でヒトとモノが国境を越えて忙しく行き来しているのである。エボラ出血熱やジカ熱などの感染症の例でも明らかなように、世界的に流行すると空港などで検疫を強化するが、それでもジカ熱のように水際の防疫網をかいくぐって感染患者が発生してしまうケースもあるのが現実である。

 しかも、訪日外国人観光客は、年間2000万人を超えて増え続け、今年5月26日~27日には伊勢志摩サミットの開催を控え、2019年にはラグビーのワールドカップ、2020年には東京オリンピックと世界的なスポーツイベントなどが予定されているのである。フランスの同時多発テロは、そのあと11月30日から開催が予定されていた国連の気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)を標的にしていたともいわれており、米国や欧州で発生したテロ事件が、国内で100%起こらないとはいえないはずだ。

 これを間接的に裏打ちするエビデンスもある。東京ビッグサイトは、毎年10月にテロ対策特殊装備展を開催し、入場者は、官公庁や企業の治安・警備関連者のみに限定しているが、昨年の9回展は、出展者数が148社、登録来場者数が7838名といずれも過去最高となった。今年も、5月31日を出展申し込み締め切り期日に今年3月から出展募集を開始したが、どの程度の出展規模になるかで関心の高さが測れることになる。また同展の出展分野は、検知・検査・分析、監視・監視システム、侵入防止設備・機器、特殊装備など多岐にわたり、出展企業のセキュリティ関連度、セキュリティ関連需要の大小の判断材料にもなる。

 目下のセキュリティ・イベントは、伊勢志摩サミットだが、これも本番の5月の首脳会談に先立って関連閣僚会合が、4月10日から11日まで広島市で開かれる外務大臣会合を手初めに、農業大臣会合、情報通信大臣会合などと続き、最後の交通大臣会合は、9月24~25日開催と長丁場となる。また5月の首脳会議でも急遽、テロ阻止へ向けた国際的な連携強化が主要テーマに浮上するとの観測が強まっている。セキュリティ関連株の出番は意外と早く、さらに息の長い関連需要も予想されるはずで、新年度相場のテーマ株人気の高まりを期待したい。(本紙編集長・浅妻昭治)

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