【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ティムコはレンジ下限から切り返し局面、収益改善期待に0.2倍台の低PBRも支援材料

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 フィッシング用品やアウトドア用品のティムコ<7501>(JQS)の株価は、9月高値600円から11月26日の547円まで調整したが、540円~600円近辺のボックスレンジ下限に到達した形だ。0.2倍台の低PBRも支援材料であり、収益改善期待でレンジ下限から切り返し局面だろう。

 フィッシング用品やアウトドア用品の企画・開発・販売を展開し、アウトドア衣料ブランド「フォックスファイヤー」の商品力強化や、直営店舗「フォックスファイヤーストア」の収益力向上に取り組んでいる。20年東京夏季五輪開催に向けて登山・アウトドア・スポーツ関連の需要盛り上がりが追い風だ。

 前期(14年11月期)の業績(非連結)見通しは、前回予想(1月17日公表)を据え置いて売上高が前々期比1.2%増の28億90百万円、営業利益が42百万円の黒字(前期は11百万円の赤字)、経常利益が43百万円の黒字(同2百万円の赤字)、純利益が28百万円の黒字(同16百万円の赤字)、配当予想が前々期と同額の年間12円(期末一括)としている。

 第3四半期累計(12月~8月)は前年同期比3.0%増収となり、営業利益、経常利益、純利益とも赤字幅が縮小した。全体として消費増税や天候不順の影響などで厳しい事業環境だったが、新製品投入など積極的な営業活動の成果で増収となり、利益面では円安進行による輸入コスト上昇や一部在庫品の値下げ販売の影響があったが、増収効果などで吸収した。アウトドア事業では防虫機能を備えた「スコーロン」製品が注目されたようだ。通期ベースでも増収効果で黒字化が期待される。収益は改善基調だろう。

 株価の動きを見ると、9月高値600円から反落して11月26日の547円まで調整したが、概ね540円~600円近辺のボックスレンジ下限に到達して調整の最終局面だろう。

 12月3日の終値551円を指標面で見ると、前期推定PER(会社予想のEPS9円95銭で算出)は55倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は2.2%近辺、そして前々期実績PBR(前々期実績のBPS2358円41銭で算出)は0.2倍近辺である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、大勢は540円~600円近辺でのボックス展開であり、レンジ下限に到達した形だ。0.2倍台の低PBRも支援材料であり、収益改善期待でレンジ下限から切り返し局面だろう。

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