ジェイテックは反発の動き

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 ジェイテック<2479>(JQ)は技術者派遣の「技術商社」を標榜し、技術職知財リース事業を展開している。21年3月期は赤字予想としている。当面は新型コロナウイルスによる派遣需要への影響が懸念材料となるが、中期的に収益拡大を期待したい。なお5月11日に新たな自己株式取得を発表している。株価は3月の安値圏から水準を切り上げて反発の動きを強めている。出直りを期待したい。

■技術者派遣の「技術職知財リース事業」が主力

 製造業の開発・設計部門に技術者を派遣する「技術職知財リース事業」を主力としている。専門教育による知識を基盤として、新たな付加価値を顧客に提供する社員を「テクノロジスト」と呼称し、一般的なエンジニアと区別している。そして「技術商社」を標榜し、テクノロジストが保有する知恵を提供(リース)することで、顧客とともに新たな価値を創造する「技術職知財リース事業」としている。

 機械設計開発、電気・電子設計開発、ソフトウェア開発、建築設計の4分野を柱として、業種別には自動車関連、産業用機器関連、建築関連、情報処理関連、電子・電気機器関連、半導体・集積回路関連などに幅広く展開している。またLIXIL、本田技術研究所、デンソーテクノ、ヤマハ発動機、三菱日立パワーシステムズ、パナソニックホームアプライアンス、富士通テンなど、幅広い業種の優良企業との取引がある。

 中期経営計画では目標値に、21年3月期売上高35億74百万円、営業利益1億15百万円、経常利益1億14百万円、純利益87百万円を掲げている。19年10月には子会社のジェイテックアドバンストテクノロジが、外国人人材受け入れ制度における登録支援機関として登録・認定を受けた。

■21年3月期赤字予想

 20年3月期連結業績は売上高が19年3月期比2.9%減の30億34百万円、営業利益が10.0%減の1億41百万円、経常利益が10.7%減の1億39百万円、純利益が0.9%減の90百万円だった。配当は1円減配の1円(期末一括)とした。

 計画どおりのテクノロジスト採用が難しく売上高は計画を下回ったが、平均単価の上昇や高稼働率の維持などで各利益は減益ながら計画を上回った。セグメント別には技術職知財リース事業が2.0%減収で2.9%減益、一般派遣およびエンジニア派遣事業が21.9%減収で72.0%減益だった。

 21年3月期の連結業績予想は、売上高が20年3月期比5.0%増の31億85百万円、営業利益が62百万円の赤字(20年3月期は1億41百万円の黒字)、経常利益が63百万円の赤字(同1億39百万円の黒字)、純利益が85百万円の赤字(同90百万円の黒字)としている。配当予想は20年3月期と同額の1円(期末一括)としている。

 新型コロナウイルスの影響が20年6月まで続くと想定し、採用・教育費の増加も勘案して赤字予想としている。当面は新型コロナウイルスによる派遣需要への影響が懸念材料となるが、中期的に収益拡大を期待したい。

■株価は反発の動き

 5月11日に新たな自己株式取得を発表した。上限20万株・40百万円、取得期間20年5月12日~20年7月31日としている。

 株価は3月の安値圏から水準を切り上げて反発の動きを強めている。出直りを期待したい。5月18日の終値は171円、今期予想配当利回り(会社予想1円で算出)は約0.6%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS110円50銭で算出)は約1.5倍、時価総額は約15億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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