【特集】上方修正や好決算の発表銘柄から中国関連と証券株に「まだはもうなり」の可能性

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■小型の割安株からトライして主力株へのレベル・アップ

 当特集では、前週末16日に業績の上方修正や好決算を発表した銘柄から中国関連株と証券株に「まだはもうなり」の可能性があるとしてアプローチしてみることとした。まず小型の割安株からトライして主力株へのレベル・アップが期待される。

■小型割安株が先行し定番主力株が決算動向次第で追い込みコースを示唆

 前週末16日に今3月期業績や今期2Q業績を上方修正した銘柄のうち、この上方修正要因を中国景気の回復とはっきりコメントしたのは3銘柄ある。発表順にキトー<6409>(東1)、ツガミ<6101>(東1)、キムラユニティー<9368>(東1)である。16日寄り付き前に3月期通期業績を上方修正したキトーは、急反発して東証第1部上昇率ランキングの第12位と人気化し、取引時間中に2Q業績を上方修正したツガミは、11月12日予定の2Q決算開示時に見直すとした3月期通期予想業績に期待を高めて年初来高値を更新し、大引け後に3月期通期業績を上方修正したキムラユニティーは、PER10倍台の割安水準にあることが明らかになった。

中国は、新型コロナウイルス感染症の感染源だったものの、世界で最も早くこの封じ込めに成功して景気回復に転じており、国際通貨基金(IMF)が、10月13日に改定した世界経済見通しでも経済成長率が上方修正され、2020年が1.9%成長と主要国中で唯一プラスとなり、2021年が8.2%の成長持続とされ勝ち組となる。米国の大統領選挙でどちらの候補が勝利を収めても米中摩擦の一層の激化が予想され、国民感情としても尖閣諸島周辺に強硬姿勢を続ける強権政権には抵抗はあるが、きょう19日に発表予定の中国の2020年7~9月期の実質経済経済成長率が、前四半期から加速すると観測されていることもあり、ここは「政証分離」と割り切って「まだはもう」として中国関連株が存在感を高めると想定される。

 定番の主力関連株ではファーストリテイリング<9983>(東1)が、10月15日に最高予想業績を公表して上場来高値を更新したが、続いてコマツ<6301>(東1)、日立建機<6305>(東1)、オークマ<6103>(東1)、ファナック<6954>(東1)、ピジョン<7956>(東1)、ユニ・チャーム<8113>(東)、伊藤忠商事<8001>(東1)、さらに低位関連株のペガサスミシン製造<6262>(東1)、JUKI<6440>(東1)を含めて、10月27日から11月6日までに予定している2Q決算の発表は要マークである。このケースなら、安川電機の再出番も現実味を増す。

■証券株は1QのV字回復業績開示時も後続材料に中間配当を増配

 証券株も、前週末16日に今3月期第2四半期業績の速報値を発表し、大幅黒字転換や大幅増益となったことで軒並み高となり、業種別株価指数の上昇率ランキングで証券業がトップに躍り出た。株式市況次第で業績が変動するものの、値ごろがほとんど3ケタ、業績予想は非開示となるだけに予想PERは算定できないが、PBRが1倍以下で割り負けているだけに意外性を発揮したことになる。実は、証券株は、今期第1四半期決算の速報値を発表した今年7月もV字回復業績をテコに株価が急伸し、その後、9月に中間配当の増配を公表したことでさらに上値評価につながっている。今回もこの再現の催促が有力になる。

 10月16日に2Q決算速報値を発表した水戸証券<8622>(東1)、藍澤証券<8708>(東1)、岩井コスモホールディングス<8707>(東1)、これに先立った極東証券<8706>(東1)、東洋証券<8614>(東1)、丸三証券<8613>(東1)、さらに子会社のSBI証券の好決算を発表したSBIホールディングス<8473>(東1)などが要マークとなる。また月間の売買実績が順調な松井証券<8628>(東1)や実際に今期1Qの好決算を開示した野村ホールディングス<8604>(東1)、岡三証券グループ<8609>(東1)、東海東京フィナンシャル・ホールディングス<8616>(東1)、光世証券<8617>(東1)、日本取引所グループ<8697>(東1)は、きょう19日から10月30日までに発表を予定している今期2Q業績の動向が「一度あることは二度ある」か注目される。

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