ヒーハイストはモミ合い煮詰まり感、21年3月期は後半回復期待

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 ヒーハイスト<6433>(JQ)は小径リニアボールブッシュの世界トップメーカーである。直動機器を主力として、精密部品加工やユニット製品も展開している。21年3月期は新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で大幅減収・赤字予想としているが、後半の需要回復を期待したい。株価は小動きでモミ合い展開だが煮詰まり感を強めている。調整一巡してモミ合いから上放れを期待したい。

■小径リニアボールブッシュの世界トップメーカー

 20年7月1日付で商号をヒーハイスト精工からヒーハイストに変更した。小径リニアボールブッシュの世界トップメーカーである。独自の球面加工技術や鏡面加工技術をコア技術として、直動機器(リニアボールブッシュや球面軸受けなど)、精密部品加工(レース用部品や試作部品の受託加工など)、ユニット製品(液晶製造装置向けなど)を展開している。

 主力のリニアボールブッシュは、機械装置の稼働部に用いられる部品で、金属と金属の接触面を鋼球が転がりながら移動することで摩擦による影響を低減し、機械装置の寿命を延ばす役割を担っている。

 20年3月期の製品別売上構成比は直動機器54%、精密部品加工35%、ユニット製品12%だった。主要販売先はTHK<6481>および本田技研工業<7267>である。収益面では産業機械・電子部品・自動車関連の設備投資動向の影響を受けやすく、設備投資関連のため四半期業績が変動しやすい特性もある。

 収益力向上および経営基盤強化に向けた重点方針として、生産能力向上とコストダウンによる採算性向上、QCDの徹底追求による顧客対応力の強化、顧客ニーズに適合した応用製品の開発と販売、主力製品リニアボールブッシュの競争力強化による拡販、提案型技術営業による新規顧客開拓、海外販売網の構築・強化、従業員の上昇志向と能力の向上を掲げている。

■21年3月期は新型コロナ影響で大幅減収・赤字予想だが後半回復期待

 21年3月期の連結業績予想(期初時点では未定、8月11日に公表)は、売上高が20年3月期比20.8%減の18億37百万円で、営業利益が86百万円の赤字(20年3月期は21百万円の赤字)、経常利益が89百万円の赤字(同25百万円の赤字)、純利益が94百万円の赤字(同3億42百万円の赤字)としている。配当予想は未定としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比31.6%減の4億73百万円で、営業利益が20百万円の赤字(前年同期は65百万円の黒字)、経常利益が22百万円の赤字(同64百万円の黒字)、純利益が21百万円の赤字(同44百万円の黒字)だった。新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で需要が急減して大幅減収・赤字だった。直動機器は産業用機械の設備投資低迷の影響で18.8%減収、精密部品加工は主要レースの開催延期の影響で50.9%減収、ユニット製品は11.5%減収だった。

 通期も大幅減収・赤字予想としている。ただし下期は赤字幅が縮小する見込みだ。当面は新型コロナウイルスによる経済収縮の影響を受けるが、後半の需要回復を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は小動きでモミ合い展開だが煮詰まり感を強めている。低PBRも評価材料だろう。調整一巡してモミ合いから上放れを期待したい。10月22日の終値は228円、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS480円62銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約14億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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