アルコニックスは21年3月期予想据え置きだが再上振れの可能性

(決算速報)
 アルコニックス<3036>(東1)は2月12日の取引時間中に21年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で減収減益だった。ただし第3四半期は前年比で経常増益に転じた。通期減収減益予想を据え置いたが、第3四半期累計の進捗率が高水準であり、通期予想は再上振れの可能性がありそうだ。株価は昨年来高値圏だ。第3四半期業績に対して反応薄だったが自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■21年3月期3Qは経常増益に転換、通期据え置きだが再上振れの可能性

 21年3月期第3四半期累計連結業績は、売上高が前年同期比13.2%減の1524億55百万円、営業利益が3.4%減の39億10百万円、経常利益が4.4%減の41億42百万円、四半期純利益が45.2%減の17億81百万円だった。

 新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で減収減益だった。経常利益は商社流通が36.9%増益(電子機能材がレアメタル棚卸資産評価損解消して9.6倍増益、アルミ銅が26.2%減益)、製造が33.3%減益(装置材料が89.6%減益、金属加工が29.4%減益)だった。

 ただし第3四半期は半導体関連や自動車関連の需要が回復し、前期計上したレアメタル棚卸資産評価損の解消も寄与して、前年比で経常増益に転じた。四半期別の経常利益(前年比)見ると、第1四半期は19.6%減の12億43百万円、第2四半期は11.9%減の12億52百万円、第3四半期は20.5%増の16億47百万円だった。

 通期連結業績予想(10月27日に売上高を下方、営業・経常利益を上方修正、純利益を据え置き)は据え置いて、売上高が20年3月期比18.2%減の1900億円、営業利益が13.1%減の45億円、経常利益が15.1%減の46億円、当期純利益が33.7%減の24億円としている。

 事業環境が不透明として通期予想を据え置いたが、第3四半期累計の進捗率は売上高80.2%、営業利益86.9%、経常利益90.0%、純利益74.2%と高水準だった。第3四半期が経常増益に転じたことも勘案すれば、通期予想は再上振れの可能性がありそうだ。

■株価は上値試す

 株価は昨年来高値圏だ。第3四半期業績に対して反応薄だったが自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。2月12日の終値は1661円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS95円86銭で算出)は約17倍、時価総額は約431億円である。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国際特許分類や元素リストを用いて多様な解決策を自動生成  AGC<5201>(東証プライム)は1…
  2. ■Newton・GR00T・Cosmosを軸にロボット研究を高速化  NVIDIA(NASDAQ:…
  3. ■700億パラメータ規模の自社LLMを金融仕様に強化、オンプレ環境で利用可能  リコー<7752>…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  2. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  3. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  4. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  5. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  6. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る