冨士ダイスは24年3月期2Q累計減益だが、通期は営業・経常増益予想

(決算速報)
 冨士ダイス<6167>(東証プライム)は11月14日の取引時間終了後に24年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。減収減益だった。半導体関連の超硬製工具類や自動車部品関連の金型などの需要が低調に推移し、原材料価格や電力燃料費の高騰、熊本工場冶金棟建設に伴う一時的費用なども影響した。ただし通期の営業・経常増益予想を据え置いた。拡販や販売価格への転嫁などによってコスト増加を吸収する見込みだ。第2四半期累計の進捗率はやや低水準だが、期初時点で下期偏重の計画である。下期の需要回復や販売価格改定効果本格化などを勘案すれば、通期会社予想の達成は可能と考えられる。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。株価は安値圏だが、第2四半期累計業績に対する反応が限定的であり、下値固め完了感を強めている。高配当利回りや1倍割れの低PBRも評価材料であり、出直りを期待したい。

■24年3月期2Q累計減益だが通期営業・経常増益予想据え置き

 24年3月期第2四半期累計の連結業績は売上高が前年同期比1.9%減の82億10百万円、営業利益が23.6%減の4億41百万円、経常利益が24.1%減の5億01百万円、親会社株主帰属四半期純利益が16.4%減の3億80百万円だった。

 減収減益だった。半導体関連の超硬製工具類や自動車部品関連の金型などの需要が低調に推移し、原材料価格や電力燃料費の高騰、熊本工場冶金棟建設に伴う一時的費用なども影響した。

 製品別売上高は、超硬製工具類が9.4%増の23億53百万円、超硬製金型類が8.8%減の18億94百万円、その他超硬製品が6.7%減の19億58百万円、超硬以外の製品が1.7%減の20億03百万円だった。超硬製工具類は半導体関連が低調だったが、海外向け溝付きロールや一部の鋼管用引抜工具が好調だった。超硬製金型類は光学素子成型用金型が好調だったが、自動車部品関連金型が低調だった。その他超硬製品は中国市場の景気低迷の影響で中国向け素材販売が低調だった。超硬以外の製品では、一部の鋼製自動車部品用工具・金型が堅調だったが、引抜鋼管が低調だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高41億07百万円で営業利益2億90百万円、第2四半期は売上高41億03百万円で営業利益1億51百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が23年3月期比3.6%増の178億円、営業利益が1.7%増の11億70百万円、経常利益が0.4%増の12億30百万円としている。なお親会社株主帰属当期純利益については、前期の特別利益に計上した固定資産売却6億32百万円が剥落するため31.1%減の8億90百万円としている。

 営業・経常増益予想としている。原材料価格や電力燃料費の高騰、設備投資によるコスト増加などがマイナス要因となるが、拡販と販売価格への転嫁によって吸収する見込みだ。価格改定については22年10月から順次着手し、23年4月以降に本格的に効果が顕在化する見込みとしている。

 産業分類別売上高(単体ベース)の計画は、輸送用機械が27.4億円(23年3月期は26.7億円)、鉄鋼が26.5億円(同25.7)億円、非鉄金属・金属製品が23.8億円(同22.6億円)、生産・業務用機械が20.9億円(同20.5億円)、電機・電子部品が21.1億円(同18.3億円)、そして金型・工具向け素材が25.4億円(同23.1億円)としている。

 営業利益(23年3月期比+20百万円)増減分析の見込みは、売上増加で+6億67百万円、原材料費高騰で▲2億04百万円、外注加工費削減で+51百万円、電力費高騰で▲2億11百万円、人件費増加で▲95百万円、設備関連費用(熊本新冶金棟建設など)増加で▲1億73百万円、その他で▲15百万円としている。

 第2四半期累計の進捗率は売上高46%、営業利益38%、経常利益41%、親会社株主帰属当期純利益43%とやや低水準だが、期初時点で下期偏重の計画である。下期の需要回復や販売価格改定効果本格化などを勘案すれば、通期会社予想の達成は可能と考えられる。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。

 なお24年3月期の配当予想は23年3月期比10円減配の22円(期末一括)としている。23年3月期は特別利益計上に伴ってEPS(1株当たり純利益)が期初計画の41円41銭から65円19銭となったため、株主還元の基本方針としている配当性向50%目途に基づいて、配当を期初計画の22円に対して10円増額して32円としたが、24年3月期は特別利益計上を見込まず、例年並みの22円の予想としている。予想配当性向は49.0%となる。

■株価は下値固め完了

 株価は安値圏だが、第2四半期累計業績に対する反応が限定的であり、下値固め完了感を強めている。高配当利回りや1倍割れの低PBRも評価材料であり、出直りを期待したい。11月15日の終値は651円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS44円87銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想の22円で算出)は約3.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1028円11銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約130億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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