京写は22年3月期通期予想を上方修正、さらに再上振れの可能性

(決算速報)
京写<6837>(JQ)は10月29日の取引時間終了後に22年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。自動車関連や家電製品関連を中心に受注が回復基調となり、大幅増収で黒字転換した。そして通期予想を上方修正した。さらに再上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。株価は9月の年初来高値圏から一旦反落したが、素早く切り返しの動きを強めている。上方修正を好感して上値を試す展開を期待したい。

■22年3月期2Q累計大幅増収・黒字転換、通期予想を上方修正

22年3月期第2四半期累計の連結業績は、受注が回復基調となり、売上高が前年同期比29.6%増の101億86百万円、営業利益が2億50百万円の黒字(前年同期は1億73百万円の赤字)、経常利益が2億78百万円の黒字(同1億72百万円の赤字)、親会社株主帰属四半期純利益が1億27百万円の黒字(同3億35百万円の赤字)だった。

売上面は実装関連事業で航空機向けの低迷が続いたが、主力のプリント配線板事業において国内外で自動車関連や家電製品関連を中心に受注が回復基調となり大幅増収だった。なお今期からベトナム新工場の売上を計上している。コスト面ではベトナム子会社の生産開始に伴って減価償却費等の固定費が増加したが、増収効果や生産性向上施策などの効果で吸収し、各利益は黒字転換した。

四半期別に見ると、第1四半期は売上高が48億71百万円で営業利益が84百万円、第2四半期は売上高が53億15百万円で営業利益が1億66百万円だった。

通期予想は上方修正して売上高が21年3月期比18.3%増の205億円、営業利益が4.6倍の4億50百万円、経常利益が2.8倍の4億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が2億60百万円の黒字(21年3月期は1億35百万円の赤字)としている。配当予想は据え置いて5円(期末一括)としている。

従来予想に対して売上高を10億円、営業利益を1億50百万円、経常利益を1億50百万円、親会社株主帰属当期純利益を1億40百万円、それぞれ上方修正した。世界的な半導体不足や原材料価格の高騰、中国の電力不足などの影響で不透明感があるが、増収効果で各利益とも従来予想を上回る見込みとしている。

修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が49.7%、営業利益が55.6%、経常利益が61.8%、純利益が48.8%なる。さらに再上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

株価は9月の年初来高値圏から一旦反落したが、素早く切り返しの動きを強めている。上方修正を好感して上値を試す展開を期待したい。10月29日の終値は480円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS18円14銭で算出)は約26倍、時価総額は約70億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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