ジーニーは22年3月期大幅増益、23年3月期も大幅増益予想

(決算速報)

 ジーニー<6562>(東証グロース)は5月12日の取引時間中に22年3月期連結業績を発表した。広告プラットフォーム事業、マーケティングSaaS事業、海外事業とも伸長して大幅増益だった。そして23年3月期(IFRS任意適用のため前期比増減率は非記載)も実質大幅増益予想としている。先行投資が完了し、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化の影響で戻り高値圏から反落して上値を切り下げただが、好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。

■22年3月期大幅増益、23年3月期も大幅増益予想

 22年3月期の連結業績(収益認識会計基準適用のため売上高の前期比増減率は非記載、利益への影響はなし)は、売上高が144億59百万円で、営業利益が3.8倍の7億38百万円、経常利益が5.0倍の7億46百万円、EBITDAが2.3倍の13億25百万円、親会社株主帰属当期純利益が3.3倍の3億35百万円だった。

 広告プラットフォーム事業、マーケティングSaaS事業、海外事業とも伸長して大幅増益だった。先行投資が完了して収益拡大フェーズに入った。なお収益認識会計基準の影響額として、従来方法に比べて売上高と売上原価がそれぞれ13億62百万円減少しているが、利益への影響はなかった。

 セグメント別(調整前、22年3月期から一部組み換え、収益認識会計基準適用のため前期比増減率は非記載)に見ると、広告プラットフォーム事業は売上高が112億46百万円で、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が17億27百万円(21年3月期は11億08百万円)だった。Web動画リワード広告フォーマットの提供開始、気象庁ホームページの広告運用事業における広告配信システムの提供開始、DOOH領域での広告配信拡大などで収益拡大した。

 マーケティングSaaS事業は売上高が11億76百万円、利益が1億25百万円(同25百万円の赤字)だった。各プロダクトの機能強化や拡販などで有料アカウント数が増加基調である。新商品「GENIEE DATA CONNECT」の提供も開始した。海外事業は売上高が21億31百万円で利益が1億63百万円(同97百万円)だった。リセラーおよびパートナーシップの強化を推進した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が29億68百万円、営業利益が50百万円、EBITDAが1億93百万円、第2四半期は売上高が34億90百万円、営業利益が1億22百万円、EBITDAが2億62百万円、第3四半期は売上高が39億26百万円、営業利益が2億28百万円、EBITDAが3億77百万円、第4四半期は売上高が40億75百万円、営業利益が3億38百万円、EBITDAが4億93百万円だった。なお広告プラットフォーム事業は第3四半期と第4四半期が繁忙期となる季節特性がある。

 23年3月期の連結業績予想(IFRS任意適用、広告プラットフォーム事業は総額表示から純額表示に変更、前期比増減率は非記載、レンジ予想、売上総利益を加えて公表)は、売上高が62億円~66億円、売上総利益が52億円~55億円、営業利益が10億円~12億円、税引前利益が9億円~11億円、親会社株主帰属当期純利益が6億円~8億円としている。配当予想は未定である。

 実質大幅増収増益予想としている。セグメント別の計画は、広告プラットフォーム事業の売上収益が39億円~40億円でセグメント利益(調整前)が22億50百万円~23億円、マーケティングSaaS事業の売上収益が19億円~21億50百万円で利益が2億円~3億円、海外事業の売上収益が4億円~4億50百万円で利益が1億50百万円~2億円としている。SaaS型プロダクト開発・機能強化などへの先行投資が完了し、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は戻り試す

 株価は地合い悪化の影響で戻り高値圏から反落して上値を切り下げただが、好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。5月12日の終値は912円、そして時価総額は約164億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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