日本電気硝子が急騰!世界初のオール酸化物全固体ナトリウム(Na)イオン二次電池を開発

 日本電気硝子<5214>(東1)は11月18日、開発を進めていた全固体Naイオン二次電池について、新たに結晶化ガラスを用いた負極材の開発を行い、結晶化ガラス正極、固体電解質と一体化したオール酸化物全固体Naイオン二次電池の駆動に世界で初めて成功したと発表。発表を好感して株価は282円高(10.3%高)の3010円まで上げて年初来高値を更新し急騰、226円高(8.28%高)の2954円で引けた。

 今回開発した全固体Naイオン二次電池は出力電圧が3Vで、現行のリチウムイオン二次電池に匹敵する高い実用性を有する。

 同社の全固体Naイオン二次電池の技術は、資源量の豊富なナトリウムや鉄を材料に用いており、従来の電池技術で資源確保が問題とされているリチウムやコバルト、ニッケル等の希少金属元素を全く必要としない。また、安定な物質である酸化物材料で構成されているため、釘やナイフが刺さっても発火や有害ガスの発生がない。

 同社は、実用性能を有し、安価な資源を活用でき、かつ高い安全性を持つオール酸化物全固体Naイオン二次電池を、脱炭素社会のキーパーツとして一日でも早く広く世の中に提供できるよう、製品化に向けた取り組みを加速していくとしている。

 同開発の成果を、11月30日から開催される第62回電池討論会(於:パシフィコ横浜)にて報告する。

■特長

1.高い安全性
電池材料が全て無機酸化物で構成され、使用時および製造時に発火や有毒物質発生の懸念がない。

2.優れた電池性能
 ・ガラスの軟化流動性を活用して正極および負極と固体電解質との一体化を図り、イオン伝導性を高めたことにより、低温での駆動が可能。
 ・固体電解質はイオン移動による劣化が小さくサイクル特性がよい。
 ・シンプルな構造で、高電位系活物質の開発により、エネルギー密度の高い電池の作製が可能。
3.豊富な資源資源量の豊富なナトリウムを用いており、リチウムやコバルトと比較して供給の不安がない。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■9割超が対策を実施も、「WBGT」の認知は依然として低調  帝国データバンクの調査により、「熱中…
  2. ■「変身と成長」掲げ1300億円の積極投資、収益構造の転換図る  吉野家ホールディングス<9861…
  3. ■人手不足を補いながら顧客満足度の向上に貢献  シャープ<6753>(東証プライム)は5月20日、…
2025年6月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

ピックアップ記事

  1. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  2. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…
  3. ■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に  イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均…
  4. ■ホルムズ海峡封鎖なら「油の一滴は血の一滴」、日本経済は瀬戸際へ  コメ価格が高騰する「食料安全保…
  5. ■トランプリスク回避へ、大谷・藤井・大の里株が浮上  『おーいお茶』を展開する伊藤園<2593>は…
  6. ■昭和の象徴、長嶋茂雄さん死去  またまた「昭和は遠くなりにけり」である。プロ野球のスパースター選…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る