三菱重工グループのMHIENG、シンガポールの新交通システム輸送力増強プロジェクトを受注

■センカン・プンゴル地区の安全で円滑な輸送体制強化に貢献

 三菱重工業<7011>(東1)グループの三菱重工エンジニアリング(MHIENG)は2月17日、三菱重工のアジア地域拠点であるシンガポールのMitsubishi Heavy Industries Asia Pacific Pte. Ltd.(MHI-AP)と三菱商事と共同で、シンガポール北東部を走る全自動無人運転車両システム(AGT:Automated Guideway Transit)「センカン・プンゴルLRT」の輸送力増強プロジェクト工事をシンガポール陸上交通庁(LTA:Land Transport Authority)から受注したと発表。開業以来の安定した運行実績やアフターサービスの対応が高く評価されたことによるもの。

 2003年に開業した同LRTは、地下鉄北東線の2駅(センカン駅・プンゴル駅)と住宅街を結ぶ路線長23.3kmの支線。今回受注したプロジェクトは、人口が大幅に増加しているセンカン・プンゴル地区の同LRT利用者増に対応するべく既存線の輸送能力増強を進めるもの。MHIENGとMHI-APは、2両連結車両17編成(34両相当)の新車両供給に加え、既存車両基地の大型拡張に伴う信号、軌道、車両保守機器といったシステム一式の更新工事を担当する。

 三菱重工グループは、同LRTの開業に当たって車両ならびにシステム一式を納入して以降、2016年には追加車両納入および2両連結運転化などの増強プロジェクト、2019年には車両基地の拡張プロジェクトを受注するなど、約20年にわたり輸送力増強への対応を含む同LRTへの各種アフターサービスを手掛けている。

 また、MHIENGは2021年4月、アジア地域における交通サービス事業のハブとしてMHI-AP内に「テクニカルサービスセンター」を設立、顧客の問合せや依頼にタイムリーに応える“ワンストップサービス“を提供するなど、同地域における交通システム製品の運行・保守およびアフターサービス体制を強化している。今回のプロジェクトにおいても、同センターとともにローカライゼーションを推進し、運行事業者とより密接に連携することで長期的な技術サポートの提供や予備品の供給などを行い、顧客ニーズに沿った付加価値の高いサービスを提供する。

 三菱重工グループは、同じシンガポールのチャンギ国際空港向けシステムのほか、日本国内や米国、ドバイ、香港、マカオなど世界各地での豊富なAGTの納入実績と質の高い運行・保守、アフターサービスが強みで、新交通システム市場で全世界シェアトップを争う地位にある。これまでの豊富な実績と知見を生かし、シンガポールをはじめとした世界各地の経済発展、交通利便性向上といった地域課題への対応と解決策の提供を目指していく。また、CO2を排出しないクリーンな輸送手段として注目されているAGTの納入を通じてカーボンニュートラル社会の実現にも貢献していく。

【全自動無人運転車両システム(AGT:Automated Guideway Transit)】 電力駆動により完全自動走行し、ゴムタイヤ方式の採用で走行が滑らか、かつ低騒音なのが特長。

【センカン・プンゴルLRT】 LRTは元来「Light Rail Transit(次世代型路面電車)」の略称として広く使われているが、センカン・プンゴルLRTは、その高速性能にちなんでLight Rapid Transitを略称としていまる
(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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