いちよし経研が加賀電子のフェアバリューを6000円に引き上げ

ビジネス 万年筆 メモ

■半導体不足が続く中で「独立系商社としての真価を遺憾無く発揮」

 いちよし経済研究所が5月16日付の企業レポートで加賀電子<8154>(東証プライム)のフェアバリュー(妥当株価)を引き上げ、これまでの5500円から6000円に見直した(5月16日前引けの株価は3060円)。

 加賀電子が5月12日に発表した2022年3月期の決算は、売上高が2期ぶりに最高を更新し、営業・経常利益は3期連続、親会社株主に帰属する当期純利益は2期連続で最高を更新した。こうした決算内容を踏まえ、同研究所による業績予想などを上方修正。レポートでは、「サプライチェーン混乱などからデバイス需給の逼迫が続く中で、独立系商社としての真価が遺憾無く発揮されているが、単なる一過性現象とは言い切れない」とし、フェアバリューなどを見直した。

 レポートによると、「22.3期実績は、EMS(電子機器受託製造)事業が堅調で、子会社の加賀FEI(電子部品事業)も収益性を改善させた」とした。会社側の今期・23年3月期の連結業績予想は、売上高が前期比2.9%増の5100億円、営業利益が同1.4%増の212億円などで微増益にとどまる見通しとしたが、レポートでは、売上高の予想を5200億円とし、営業利益の予想を220億円、などとした。

 為替の1円円安は年間0.5億円程度の営業増益要因になること、為替前提は116円/米ドルであること、当面はデバイス需給逼迫が続くと予想するため、スポット販売収益の圧縮は限定的に止まるとみられること、などから業績予想を上方修正し、車載機器を中心に堅調な拡大を予想するとした。

 加賀電子グループの特徴として、「創業時からの『便利屋』的なビジネス志向に裏打ちされた高い売上総利益率(22.3期12.2%)」「独立系商社としての自由闊達な社風が、混乱期における商機を増幅させ、買収子会社である加賀FEIの収益性改善にもつながったと考える」などとし、「これらを一過性現象と言い切ることはできないであろう」と評価した。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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