円、一時150円台、「32年ぶり安値」と伝えられる、大台を割り需給悪化も

日本のお金 円

■低金利の円を売って高金利のドルを買う動きに歯止め掛からず

 10月20日の東京外国為替市場で、16時30分過ぎ、円の対ドル相場が1ドル150円をつけた。日経電子版は、「150円台は1990年8月以来、32年ぶりとなる。日米金利差が広がるなか、低金利の円を売って高金利のドルを買う動きに歯止めが掛からなくなっている。止まらない円安に対して、政府・日銀が大規模な円買い介入に踏み切るかが焦点だ」(日本経済新聞のWeb0月20日16:41)と伝えた。

■大台突破し「ノックアウトオプション」などによる円売り噴出も

 円安の主因は、報道にあるように、米国の相次ぐ政策金利の引き上げに対し、日本の金融政策は現状維持を継続しているため、日米金利差が開いてドル買い・円売りがとまらないこととされている。大台でフシ目の150円を割ったことで、一定条件を突破すると損失または利益が急拡大する仕組み商品の「ノックアウトオプション」などによる円売りが噴出し、円安を加速しかねないとの見方が出ている。

 日銀の黒田総裁も急激な円安には懸念を示しており、10月19日の参議院予算委員会で、「『最近の円安の進行は、急速かつ一方的なもので、このような円安の進行は、企業の事業計画策定を困難にするなど、先行きの不確実性を高め、わが国経済にとってマイナスであり、望ましくないと考えている』と述べました」(NHKニュースWEB10月19日11時16分)と伝えられた。

 ただ、日本の金融政策は日銀が執り行っているため、日銀総裁が金融政策をそのままにして円安を心配するのは整合性がとれないのではないか、といった受け止め方も出ている。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る