【チャート診断】日本化学工業は往年の人気期待だが空売り少なく短期で割り切る

チャート診断

<歩み&現在位置>

 日本化学工業<4092>(東1・売買単位1000株)は、昨年秋の150円前後から週足で連続陽線を交えて上伸、年初1月8日に365円まで約2.4倍に上昇、その後、一貫した右肩下がりの相場だった。去る、7月9日のギリシャ問題による全般安で202円まで下げ、下ヒゲ足の底打ちとなって足元では5日は75円高の293円と出直りに転じている。

 25日線を大きく上抜き、出来高も約3200万株と急増、人気が盛り上がっている。年初来高値に対し8.0合目水準、勢いの加わっていることから高値挑戦とみられる。

<マーケッの視点>

 マーケットでは、ポンカンの愛称を持ち、過去、空売り急増を背景に3410円の高値(1990年)をつけた往年の人気株という点に注目している。とくに、主力銘柄を手掛け難い地合いから短期資金が物色のホコ先を向けているという。

 業績好調もある。4日発表の第1四半期(4~6月)営業利益は前年同期比2.2倍の8億3400万円と大幅増益だった。16年3月期の営業利益を従来予想の18億円から30億円へ増額、1株利益でも従来予想の14.7円が25.0円となる。

 ただ、配当は年3.0円据え置きで物足りない。電子セラミック材料がスマホ、自動車向けに好調で増配に進むかどうかが、マーケットの注目点といえる。

<方向&短・中期展望>

 空売り残は、かつての人気性を思い出すほどの厚さはなく、むしろ信用買残のほうが多い。

 PER11倍台は割安だが、年3円配当では中期投資では買い難いところがある。最低でも年5円、できれば年6円配当なら中期400円も期待できるだろうが、その見通しがはっきりしない間は短期中心の相場展開だろう。

 月足では年初の365円が2008年6月の397円に対するダブルトップとなっていることから年初来高値を抜いたとしても上値のフシが頭を押さえそうだ。よほど、空売りが急増しない限り、年初来高値までが精一杯のように思われる。押し目を拾って吹いたところで利食うのがよさそうだ。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■山口県周南市で始動、燃料電池の定置型電源活用で脱炭素電力供給を検証  ホンダ<7267>(東証プ…
  2. ■LINEリサーチ発表、上半期トレンド総括と最新6月期の動向  LINEヤフー<4689>(東証プ…
  3. ■休廃業・解散は減少も淘汰続く、新興市場の課題鮮明に  東京商工リサーチは7月31日、国内ドローン…
2025年10月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ピックアップ記事

  1. ■金先物関連株、最高値更新で安全資産需要が強まる  日本取引所グループ<8697>は9月24日、今…
  2. ■石破首相辞任表明後も市場は急落回避、投資家の買い意欲継続  「一寸先」は、不確実で予測が難しい。…
  3. ■東証市場、主力株急落と中小型株逆行高で投資戦略二極化  証市場は9月19日に主力株の急落と中小型…
  4. どう見るこの相場
    ■プライム市場の需給悪化を警戒し、個人投資家は新興市場へ資金を逃避  「桐一葉 落ちて天下の秋を知…
  5. ■01銘柄:往年の主力株が再評価、低PER・PBRで買い候補に  今週の当コラムでは、買い遅れカバ…
  6. ■日米同時最高値への買い遅れは「TOPIXコア30」と「01銘柄」の出遅れ株でカバー  日米同時最…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る