ミロク情報サービスは23年3月期3Q累計大幅営業・経常増益、通期予想再上振れ濃厚、配当予想は上方修正

(決算速報)
 ミロク情報サービス<9928>(東証プライム)は2月3日の取引時間中に23年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。大幅営業・経常増益だった。主力のERP製品が好調に推移し、クラウドサービス利用社数の増加や、オンプレミス製品のサブスクリプション型への移行によるストック型ソフトウェア使用料収入の伸長も寄与した。通期会社予想は据え置いているが再上振れが濃厚だろう。なお配当予想は上方修正した。さらに積極的な事業展開で24年3月期以降も収益拡大基調を期待したい。株価はモミ合いから上放れて急伸し、昨年来高値更新の展開となった。好業績を評価し、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■23年3月期3Q累計大幅営業・経常増益、通期予想は再上振れ濃厚

 23年3月期第3四半期累計(4月~12月)の連結業績は、売上高が前年同期比13.7%増の310億16百万円、営業利益が41.8%増の53億83百万円、経常利益が34.2%増の51億14百万円だった。親会社株主帰属四半期純利益は前期計上の特別利益の剥落で6.1%減の36億75百万円だった。

 22年4月に販売開始した中堅企業向けERPシステム「Galileopt DX」を中心に、主力ERP製品の販売が好調に推移した。さらに、クラウドサービス利用社数の増加や、オンプレミス製品のサブスクリプション型への移行によるストック型ソフトウェア使用料収入の伸長も寄与した。売上総利益は16.3%増加し、売上総利益率は1.4ポイント上昇して63.2%となった。販管費は8.9%増加したが、販管費比率は2.1ポイント低下して45.8%となった。営業外費用では持分法投資損失が増加(前期は44百万円計上、今期は3億38百万円計上)した。特別利益では前期計上の関係会社株式売却益20億87百万円が剥落した。

 品目別の売上高は、システム導入契約売上高が前年同期比17.3%増の178億42百万円(ハードウェア売上高が25.5%増の30億04百万円、ソフトウェア売上高が10.7%増の103億97百万円、ユースウェア売上高が29.9%増の44億39百万円)で、サービス収入が10.5%増の106億47百万円(会計事務所向け総合保守サービスTVSが0.6%増の18億99百万円、ソフトウェア使用料収入が46.1%増の29億08百万円、企業向けソフトウェア運用支援サービス収入が2.5%増の42億65百万円、ハードウェア・ネットワーク保守サービス収入が0.4%増の11億35百万円、サプライ・オフィス用品が4.9%減の4億39百万円)だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が97億16百万円で営業利益が15億03百万円、第2四半期は売上高が101億65百万円で営業利益が15億99百万円、第3四半期は売上高が111億35百万円で営業利益が22億81百万円だった。

 通期の連結業績予想(22年10月31日付で上方修正)は据え置いて、売上高が22年3月期比11.5%増の408億円、営業利益が21.1%増の58億円、経常利益が17.4%増の56億円、親会社株主帰属当期純利益が20.3%減の36億円としている。配当予想は2月3日付で期末5円上方修正し、22年3月期と同額の45円(期末一括)とした。なお22年3月期の45円には特別利益発生に伴う特別配当5円を含むため、普通配当ベースでは5円増配の形となる。

 通期ベースでは、賃金引き上げ等を考慮した従業員への還元策の拡充、先行投資となる広告宣伝費の増額、関係会社の業績下振れリスクなどを想定するが、主力ERP製品やサービス収入の好調などで吸収して大幅営業・経常増益予想としている。

 通期会社予想を据え置いたが、第3四半期累計の進捗率は売上高76.0%、営業利益92.8%、経常利益91.3%、親会社株主帰属当期純利益102.1%と高水準であり、通期会社予想は再上振れが濃厚だろう。さらに積極的な事業展開で24年3月期以降も収益拡大基調を期待したい。

■株価はモミ合いから上放れて昨年来高値更新の展開

 株価はモミ合いから上放れて急伸し、昨年来高値更新の展開となった。好業績を評価し、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。2月3日の終値は1755円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS120円57銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想の45円で算出)は約2.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS743円26銭で算出)は約2.4倍、そして時価総額は約611億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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