【注目銘柄】扶桑電通は業績上方修正、再増配を手掛かりに割安修正買いが膨らむ

■割安修正期待でハイテクバリュー株買いが増勢

 扶桑電通<7505>(東証スタンダード)は、前日17日に4円高の1412円と続伸して引け、8月10日につけた年初来高値1496円を視界に捉えた。今年8月9日に発表した今2023年9月期業績の上方修正と再増配を手掛かりに割安修正期待を高めハイテクバリュー株買いが増勢となった。テクニカル的にも5日移動平均線が、25日移動平均線を上抜くミニ・ゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆しており、年初来高値抜けから2021年9月の株式分割権利落ち後高値1650円への再キャッチアップが期待されている。

■上方修正の9月通期業績はなお3QのV字回復利益を下回る

 同社の今9月期通期業績は、今期第3四半期(2022年10月~2023年6月期、3Q)業績が、前年同期比12.1%増収、3.87倍営業増益、2.96倍経常増益、3.38倍純益増益とV字回復して着地し、すでに従来の今期通期予想業績を上回ったことから上方修正された。期初予想より売り上げを5億円、営業利益を2億6000万円、経常利益を3億1000万円、純利益を2億7000万円それぞれ引き上げ、売り上げ405億円(前期比11.0%増)、営業利益9億円(同2.31倍)、経常利益10億6000万円(同94.7%増)、純利益7億7000万円(同2.35倍)と見込み、V字回復幅を拡大させる。それでもこの通期予想利益は、3Q実績利益を1億5000万円~4700万円下回っており、第2四半期に売り上げが他の四半期より高くなる会計特性があるとしてなお保守的な予想となっている。

 自治体向けや民需向けのパソコン・ソフトウエア製品の販売によりオフィス部門が想定を上回る増収となったことやクラウドサービスなどもサービス部門が好調に推移したことなどが要因で、3Qのソリューション部門は前年同期比23.5%増収、オフィス部門は同38.4%増収、サービス部門は同9.4%増収となり、ネットワーク部門の原価低減も、利益上ぶれにつながった。配当は、今年5月の今期第2四半期(2022年10月~2023年3月期、2Q)累計決算開示時に続いて再増配、普通配当20円に創立75周年の記念配当10円、さらに配当性向35%をメドとする配当政策に基づき特別配当27円を各上乗せして年間57円(前期実績20円)に大幅増配を予定している。

■ミニGC示現でPER10倍、PBR0.8倍、配当利回り4%の修正に拍車

 株価は、今期第1四半期業績が、赤字幅を縮小させたものの小幅赤字で着地したことで年初来安値1025円へ調整したが、2Q累計業績の2ケタ増収増益・増配を歓迎して底上げ、今期業績の上方修正と再増配が追い風となって年初来高値1496円まで45%高、ミニGCを示現して上昇トレンド転換を示唆した。足元では全般相場の波乱とともに利益確定売りが交錯し、1400円台固めを続けてきた。PERは10.6倍、PBRは0.85倍、配当利回りは4.03%と割安であり、年初来高値抜けから2021年9月末を基準日に実施した株式分割(1株を2株に分割)の権利落ち後高値1650円へ再キャッチアップしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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