OATアグリオグループのインプランタイノベーションズは植物における新しいゲノム編集技術の開発に成功

■針状結晶と超音波で植物にゲノム編集ツールを導入する新手法を共同開発

 OATアグリオ<4979>(東証プライム)グループの関連会社インプランタイノベーションズは8日、国立研究開発法人産業技術総合研究所と凸版印刷<7911>(東証プライム)と共同で植物における新しいゲノム編集技術の開発に成功したと発表。針状結晶「ウイスカー」を用いた新しい分子導入技術でゲノム編集作物のより効率的な作製を可能にすることが期待される。

■外来DNAを使わない植物ゲノム編集技術への新たな一歩

 国立研究開発法人・産業技術総合研究所(産総研)生物プロセス研究部門・植物機能制御研究グループの中村彰良および菅野茂夫の両主任研究員らは、凸版印刷とインプランタイノベーションズと共同で、チタン酸カリウムからなる針状結晶(ウイスカー)と超音波を活用して、ゲノム編集ツールであるCRISPR-Cas9のリボヌクレオタンパク質(RNP)を植物へ導入する新しいゲノム編集手段として、ウイスカー超音波RNP法を開発した。

 いままでの研究で、マイクロサイズのウイスカーという「針」を用いて、植物細胞に孔を直接開け、DNAを導入する技術は知られていた。しかし、ゲノム編集ツールのRNPを導入可能かは明らかになっていなかった。

 同研究では、RNPを導入できる条件を見いだし、ゲノム編集イネを作出した。ウイスカーによるゲノム編集ツールの植物への導入手法は、バクテリアを利用した遺伝子導入手法に比べて、植物の生物学的特性に依存する度合いが低いため、さまざまな植物種において、RNPを用いてゲノム編集の実施が可能になる。ウイスカー超音波RNP法を用いると、DNAを全く用いずにイネ細胞のゲノム編集ができることも明らかになった。

 同編集技術は、一般的に形質転換が難しい植物に対して、DNAを全く用いないでゲノム編集を行う基盤を構築する新たな一歩となる。なお、この技術の詳細は、2023年9月7日(日本時間)に「Scientific Reports」に掲載された。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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