IHIは火力発電用ボイラ向け専焼バーナのアンモニア火炎可視化に成功、東北大学と共同開発

■アンモニア燃焼試験能力を拡充した大型炉での専焼試験により開発を加速

 IHI<7013>(東証プライム)は19日、火炉内では目視確認できないアンモニア火炎の状態を、特殊なカメラとフィルタを用いた撮影により可視化することに成功したと発表。この開発は、IHI×東北大学アンモニアバリューチェーン共創研究所との共同開発成果である。火炎の形状や動作等を正確に把握することは、アンモニア燃焼技術開発の加速・高度化において極めて重要であり、これを新たなアンモニア供給設備の導入により試験能力を拡充した大型燃焼試験設備で確認した。

 カーボンニュートラル化に向けて、IHIは、アンモニアの製造から、貯蔵・輸送、利用にわたるバリューチェーンの早期構築を進めており、技術開発や国内外のパートナーとの提携を行っている。利用に関しては、火力発電用ボイラにおける燃料アンモニア50%以上燃焼適用技術の確立とその実機実証に取り組むほか、燃料アンモニア100%適用を目指して専焼バーナの開発を進めている。

 アンモニア専焼バーナの開発では、小型燃焼試験設備において有害物質を抑制した状態での燃焼に成功しており、さらに実際の発電所規模を想定した大型炉での詳細な評価を実施するため、燃料アンモニアの供給量を従来設備の10倍に大型化した大規模アンモニア供給設備を2022年9月に建設し、同年11月から大型燃焼試験設備での専焼試験を開始している。

 燃焼技術の高度化に向けては、燃焼試験から得られる情報をより多く、より正確に実機に反映することが重要である。今回、火炎の可視化に成功したことで、詳細な燃焼状態の確認や計測結果の妥当性評価が可能となり、より信頼性の高いバーナの開発ならびに実用化に取り組んでいく。

 IHIは、アンモニア燃焼技術の開発を加速し、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、燃料アンモニアを含めたカーボンニュートラル燃料の社会実装の早期実現と、グローバルな環境負荷の低減に貢献していくとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■開発者や投資家に加え、警鐘を鳴らす識者やアーティストも選出、多様な視点でAIの未来を問う  米T…
  2. 【効率化の先に広がる新しい働き方のルール】 ■広がり始めた「AI格差」  生成AIの利用が急速に…
  3. ■R35 GT-R最終生産、累計4万8000台が築いた伝説  日産自動車<7201>(東証プライム…
2025年10月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ピックアップ記事

  1. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  2. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…
  3. ■全市場のわずか1.4%、希少な高配当利回り銘柄が浮上  株式市場では、高配当利回りを持つ10月決…
  4. ■「高市祭り」への期待と警戒交錯、資金は安定配当株へシフト  10月終盤相場は、「高市祭り」か「高…
  5. ■自民党総裁選と連立問題が相場を左右、短期急伸と急落を交錯  高市トレードは、まるで「超高速エレベ…
  6. ■東京市場、リスクオンとリスクオフが交錯、安全資産関連株に注目  週明けの東京市場は、米国株反発に…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る