【株式市場特集】株高方程式を解く!業績相場で狙うべきフルセット銘柄の条件とは?

 今週の当コラムは、「株高、株高、株高」と3連呼した希少価値のあるフルセット銘柄に注目することにした。これから進行する決算発表で次々に登場するかもしれない同様の銘柄も含め、11月入りとともに強まった業績相場の一角で3連呼の株高方程式を一段と強め存在感を訴求することを期待したい。

■プラスワンが自己株式系ではトヨタがリードして割安修正に拍車

 フルセット銘柄のうちプラスワンが自己株取得・消却となった銘柄の代表は、日本最大の円安メリット株であるトヨタ自動車<7203>(東証プライム)である。想定為替レートを期初予想の1ドル=125円から141円、1ユーロ=135円から151円と円安方向に見直し今期通期の営業利益は1兆5000億円も上ぶれ、純利益は2期ぶりに過去最高(2兆8501億円)を約1兆1000億円も更新する。6000万株、1000億円の自己株式取得、中間配当の期初予想の25円から30円の増配も合わせて発表し、期末配当は未定としているが再増配の催促が高まる方向にある。株価は、前週末に3連騰して270円高したが、PERなお9倍台にとどまっており、自己株式取得系のフルセット銘柄の株価上昇をリードしよう。

 トヨタ自動車と同様のフルセット銘柄は、発表の時系列的に上げるとAGS<3648>(東証スタンダード)、三井物産<8031>(東証プライム)、豊田合成<7282>(東証プライム)、テセック<6337>(東証スタンダード)、田中精密工業<7218>(東証スタンダード)、日油<4403>(東証プライム)、中部鋼鈑<5461>(東証プライム)、丸紅<8002>(東証プライム)、ダイセル<4202>(東証プライム)、理想科学工業<6413>(東証プライム)と続く。また東リ<7971>(東証スタンダード)は、今年7月に増配、10月に3月通期業績の上方修正、前週末2日に自己株式取得・消却、自己株式立会外買付取引を発表しており、3段階の時間差でフルセット銘柄のポジションをクリアしている。さらに業績予想を開示しない証券株では、中間業績がV字回復して中間配当の増配と自己株式取得を同時発表した大和証券グループ本社<8601>(東証プライム)も、準フルセット銘柄として評価されそうだ。

■株式分割系では新NISA関連の新規資金流入の呼び水効果も

 プラスワンが株式分割となるフルセット銘柄は、前記の三菱商事のほかJR西日本<9021>(東証プライム)、ソシオネクスト<6526>(東証プライム)が該当する。キッコーマン<2801>(東証プライム)は、今年10月25日に株式分割を発表したあと、前週末2日に今期業績の上方修正と増配を発表しており、合わせ技でのフルセット銘柄となっている。

 このなかで三菱商事とソシオネクストは、株式分割の基準日を今年12月31日に設定しており、来年1月からスタートする新NISA(少額投資非課税制度)を意識した資本政策の側面がある。新NISAによりマーケットに流入が期待される新投資資金の呼び水となる可能性がある。前記の京セラも12月31日を基準日に1対4の株式分割を予定しており、また今年8月に業績上方修正、増配、株式分割を発表しフルセット銘柄となったマブチモーター<6592>(東証プライム)も、12月31日を基準日に1株を4株に分割予定である。分割権利取り方向でアタックするのも一法となりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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