【注目銘柄】日本特殊陶業は反落も最高純益を伸ばす業績上方修正と増配を手掛かりに押し目買い余地

 日本特殊陶業<5334>(東証プライム)は、前日15日に17円安の3427円と5営業日ぶりに反落して引けた。同社株は、今年10月30日に今2024年3月期業績の上方修正と増配を発表し、前日の取引時間中の高値3502円まで377円高しており、目先の利益を確定する売り物に押された。ただその上方修正では、今期純利益が前期の過去最高を大幅に連続更新し、配当も減配幅が縮小することになり、押し目買いも一考余地がありそうだ。テクニカル的にも、年初来高値から直近安値3070円まで調整する場面で25日移動平均線が、75日移動平均線を下抜くデッドクロス(DC)を示現したが、同安値からのリバウンド場面では5日移動平均線が25日線を上抜くミニ・ゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆し、前日の反落でも5日線をキープしたこともフォローの材料となりそうだ。

■想定為替レートを1ドル=130円から140円へ円安恩恵が業績を押し上げ

 同社の今3月期業績は、期初予想より売上収益を70億円、営業利益を135億円、税引前利益を190億円、純利益を135億円それぞれ引き上げ、売上収益6070億円(前期比7.9%増)、営業利益1100億円(同23.3%増)、税引前利益1160億円(同24.2%増)、純利益810億円(同22.2%増)と続伸を見込み、純利益は、前期の過去最高(662億9300万円)を大幅に連続更新する。新車組付け製品が一部地域の自動車販売の伸び悩みで減少したが、円安・ドル高の進行が業績を押し上げる。想定為替レートは、期初予想の1ドル=130円、1ユーロ=140円から下期レートとしてそれぞれ140円、150円と円安方向で見直し、3月期通期の自動車事業の売上収益が4978億2000万円(同12.1%増)、営業利益が1189億3700万円(同27.5%増)と見込んだことが要因となる。

 配当は、前期の年間166円(前々期実績102円)から期初に133円と減配を予想したが、今期業績の上方修正とともに連結配当性向40%を基本とする株主還元政策に従って160円に増配し、前期比減配幅を縮小させる。

■ミニGC示現でPER8倍、配当利回り4.4%の割安を修正しまず年初来高値奪回

 株価は、デンソー<6902>(東証プライム)からの一部事業譲受や今期第1四半期の好決算などを手掛かりに下値を切り上げ年初来高値3617円まで買い進まれたが、米国の長期金利の上昇・下落に伴う世界的な波乱相場の波及で3070円まで調整し下降トレンド入り示唆のDCを示現した。その安値水準で業績上方修正・増配を発表してリバウンドし、今度は上昇トレンド転換のミニGCを示現した。PERは8.5倍、年間配当利回りは4.66%となお割安であり、年初来高値奪回から2015年6月につけた上場来高値3900円を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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