【どう見るこの相場】「あれもこれも」か「あれかこれか」は手近な2月末の株式分割・配当権利付き銘柄が試金石

■日経平均、史上最高値に迫るも半導体株の失速で足踏み

 「あれもこれも」か「あれかこれか」なのか何だかぼやけてきた。日経平均株価が、前週末16日のザラ場に一時、あの1989年12月の史上最高値3万8915.87円にあと50.81円と迫り、東証プライム市場の83%もの銘柄が上昇したのにである。バブル相場の頂点でキャッチフレーズとなっていた「八百屋の店先の大根以外はすべてのカブは買い」とする「あれもこれも」の全株躍動・総上げ相場宣言は聞こえてこない。どこか警戒ムードさえも漂っているようである。

 半導体株の失速・急落が、きっかけである。米国の画像処理半導体トップのエヌビディアに牽引された「エヌビディア祭り」が続くはずだったのに、16日は朝方に高値を更新したレーザーテック<6920>(東証プライム)などが、急失速して大幅安となり日経平均株価の足を引っ張ったからである。この前々日の15日とは、様変わりな相場展開となった。15日は日経平均株価は、455円高と急反発したが、これを牽引したのは半導体株で東京エレクトロン<8035>(東証プライム)やアドバンテスト<6857>(東証プライム)が、日経平均株価を押し上げたものの、東証プライム市場の値上がり銘柄は30%にとどまり、値下がり銘柄が66%にも達する勝ち組・負け組に二極化する「あれかこれか」相場となっていた。

 それが16日は、83%もの銘柄が値上がりして全員勝ち組化の「あれもこれも」相場に転換するかと期待したのに半導体株の急失速であり、やはり逆の「あれかこれか」相場だったのかもしれないのである。今週週明け以降も、「あれもこれも」か「あれかこれか」を探る展開は続きそうである。というのも半導体株は、今週21日にフシ目を迎えるとの見方もあるからである。この日は、エヌビディアが四半期決算の発表を予定しており、もちろん大幅増収増益が予想され、アナリストの目標株価引き上げも続いているものの、好決算発表とともに材料出尽くし・織り込み済みとして株価が下落するのか、それとも二段ロケット発射で高値追いとなるか見方が相半ばし、東京市場の半導体株もこの影響を受けざるを得ない。しかもウォーレン・バフェットなどの米国の著名投資家が、アップルなどの巨大テック株を売却してバリュー株の組み入れを増やすポートフォリオの再構築に取り組む動きも伝えられているのである。

 この先、日経平均株価が、史上最高値を更新しさらに上値をチャレンジする展開を強め、全株躍動の全面高となるなら「あれもこれも」とどんな銘柄にアタックして報われる。しかし、それでも「半導体のあとに半導体なし」と「あれかこれか」に心揺れる投資家は少なくないはずである。そこで今週の当コラムでは、そうした投資家向けに「あれもこれも」の試金石ともなるややテクニカル的な投資スタンスを提案することにした。

 2月相場もあと、残り8営業日である。この2月末に株式分割や配当の権利付き最終日を迎える銘柄の権利取りである。株式分割はいまやラッシュとなっており、現在市場の人気株の中心となっているトヨタ自動車<7203>(東証プライム)にしろ東京エレクトロン<8035>(東証プライム)にしろこの株式分割換算で実質的に上場来高値を更新し、SCREENホールディングス<7735>(東証プライム)に至っては、わずか1カ月超で分割権利落ち分を完全に埋め上値トライとなっている。2月末に株式分割を予定している銘柄は6銘柄である。しかし3月末は、47社が株式分割を予定しており、この前哨戦としても注目されよう。

 また2月27日に権利付き最終日を迎える2期決算会社の高配当利回りランキングの上位銘柄は、消費関連株、内需関連株が中心になる。新型コロナ感染症のパンデミック(世界的な感染爆発)当時は、「ウイズ・コロナ」で業績を伸ばし、「アフター・コロナ」ではその反動で苦戦する銘柄の比率が高い。それでも業績を下方修正しても増配に踏み切る銘柄も含まれている。権利付き最終日まであと6営業日である。債券投資の所有期間利回り感覚で対応するのも、「あれもこれも」相場への試金石となりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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