キリン、海老名物流センターで自動ピッキングシステム始動、人手不足と重筋作業を解消

■AIが最適化、ピッキング作業の効率化を実現

 キリンホールディングス<2503>(東証プライム)グループのキリンビバレッジとキリングループロジスティクスは12月12日、三菱重工業<7011>(東証プライム)と共同開発した「自動ピッキングソリューション」を神奈川県海老名市の物流拠点に導入し、12月から稼働を開始したと発表。同システムは、飲料倉庫のピッキング作業を自動化・知能化するもので、作業効率が42%向上する実証結果を基に本格導入された。段階的に出荷量を増加させる予定で、2024年問題と呼ばれる物流業界の労働力不足や作業環境改善への対応を目指している。

 「自動ピッキングソリューション」は、無人フォークリフト(AGF)や無人搬送車(AGV)、ピッキングロボットを統合的に運用するシステムであり、固定設備が不要なため、レイアウト変更や中小規模の倉庫にも適応可能だ。この技術は、三菱重工のプラットフォーム「ΣSynX」に基づき、効率化と柔軟性を両立する設計となっている。夜間の無人作業にも対応し、人手不足の解消と庫内渋滞の削減を実現するだけでなく、停電時には手動操作が可能なハイブリッド設計を採用している。

 キリングループと三菱重工は、物流革新に向けた政策パッケージに対応しつつ、共同でトラック荷積み・荷降ろしの自動化にも取り組んでいる。今回の導入を通じて、重筋作業や人員確保の課題を解決しつつ、待機車両の時間短縮や物流全体の効率化を図る。これにより、持続可能な物流モデルの構築と、飲料業界の課題解決に向けたさらなる挑戦を続ける計画だ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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