商船三井・古河電工など4社、船舶修繕の錆・塗膜除去システム開発に向けた実証実験に成功

■従来のサンドブラスト工法からの転換で環境負荷を大幅低減

 商船三井<9104>(東証プライム)、商船三井ドライバルク、古河電気工業<5801>(東証プライム)、常石造船の4社は2月14日、レーザ技術を活用した錆・塗膜除去システム「インフラレーザ™」の実船実証実験を実施し、その有効性を確認したと発表。古河電工は2021年から産業用レーザ技術を応用したシステム開発を進め、2022年からは常石造船と共同で実証実験を重ねてきた。

 この技術開発の背景には、従来のサンドブラスト工法が抱える環境問題がある。これまでの工法では、研削材や剥離した塗料が作業場に飛散し、廃棄物として処理する必要があった。新システムは、粉塵や騒音が極めて少ないレーザ工法を採用することで、環境負荷の低減と労働衛生の改善を実現する。商船三井と商船三井ドライバルクは運航船の船上整備における環境課題解決の観点から、常石造船は持続可能な事業運営の観点から、本開発に参画している。

 2024年12月に実施された実証実験では、商船三井が運航する船舶の外板を用いて、開発中のシステムによるレーザ施工の有効性が実証された。今後は従来工法からの置き換えを目指し、開発を加速させる方針だ。さらに、レーザの反力ゼロという特性を活かし、システムの自動化も検討している。この取り組みにより、船舶整備・修繕工程の省人化・自動化という新たな可能性が開かれようとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■地域と共に築いた「鮪解体ショー」で世界一の舞台へ  銚子丸<3075>(東証スタンダード)は、同…
  2. ■速乾・吸水機能を備えたブラ&ショーツ、11月7日から応援購入受付  グンゼ<3002>(東証プラ…
  3. 日産自動車 日産 NISSAN
    ■経営再建計画の一環として保有資産を最適化、20年間の賃貸借契約で本社機能維持  日産自動車<72…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■眠れる6900トンの金が動き出す、「都市鉱山」開発でリデュース株に追い風  今週の当コラムは、金…
  2. ■天下分け目の12月10日、FRB利下げで年末相場は天国か地獄か?  天下分け目の12月10日であ…
  3. ■AI・データセンター需要拡大に対応、測定能力は従来比最大2倍  リガク・ホールディングス<268…
  4. ■売り方手仕舞いで需給改善が後押し  師走相場では、リスクの大きい銘柄であっても、逆日歩のつく信用…
  5. ■師走相場は最終レースさながら、勝ち負け分ける「掉尾の一振」に熱視線  師走である。礼節一点張りの…
  6. ■金利環境改善が銀行株に追い風、逆張りの買いも有力視  今週の当コラムは、銀行株に注目することにし…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る