三洋化成工業の再生医療材料『シルクエラスチンR』、半月板再生の臨床試験結果がScientific Reports誌に掲載

■米国市場開拓に向けたパートナー企業を募集

 三洋化成工業<4471>(東証プライム)は、生体組織の修復・再生を促進する機能性タンパク質『シルクエラスチンR』が、半月板再生に関する臨床試験結果において有望な結果を示し、権威ある科学誌「Scientific Reports」に掲載されたと発表した。

 同研究結果は、『シルクエラスチン』の有効性と安全性を科学的に裏付けるものであり、FDA承認とその後の米国市場展開を加速させる重要なマイルストーンとなる。同社は、米国市場における事業展開を視野に入れ、半月板再生において米国でマーケティングおよび販売を担うパートナー企業を募集するとしている。

 三洋化成工業の樋口章憲社長は、「『シルクエラスチン』の臨床試験データが、権威ある科学誌に掲載されたことを大変嬉しく思います。半月板損傷に苦しむ多くの方々にとって、治療の選択肢は限られています。私たちは、この画期的な治療法を一日も早く患者様にお届けしたいと考えています。そのためには、再生医療の発展というビジョンを共有できるグローバル企業との連携を強く求めています。」とコメントした。

■半月板損傷治療への新たなアプローチ
 スポーツや加齢に伴い多く発生する半月板損傷は、しばしば半月板切除術(部分または全部を除去)で治療するが、これは変形性関節症のリスクを高める。シルクエラスチンは、除去ではなく修復を促進する再生医療の代替手段を提供し、関節機能の温存に貢献する可能性がある。

【開発状況】
 広島大学との共同開発により、シルクエラスチンが半月板の修復・再生を促進することが確認された。従来は切除が必要だった半月板を温存し、修復・再生する新たな治療アプローチを提供できる可能性が期待されている。日本国内では、医師主導治験を良好な結果で終了し、2025年夏から企業治験へ移行の予定である。企業治験では、より広範なデータ収集と詳細な有効性・安全性の検証を行う。有効性が確認されれば、半月板損傷に対する新たな治療選択肢を提供できる可能性があるとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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