ユーグレナ、バイオ燃料向け高密度培養に成功、商業化へ前進

■従来比2000倍の生産性を実現

 ユーグレナ<2931>(東証プライム)は2月17日、バイオ燃料原料開発の実証試験において、商業生産用タンクでのユーグレナの高密度培養に成功したと発表。2024年10月に沖縄県石垣市で実施した試験では、従属栄養培養方式を採用し、ヘルスケア向けユーグレナの光従属栄養培養と比較して最大約10倍の培養密度を達成。さらに、独立栄養培養比では約2000倍相当となる土地面積あたりの生産量を実現した。

 同社は2030年代前半にバイオ燃料原料向けの微細藻類の商業生産開始を目指している。年間数十万トン規模の培養・生産が求められる中、培養設備容量あたりの藻体生産量を高めることが生産コストの低減に不可欠だ。今回の実証試験では、脂質含有率平均約35%を達成し、大豆の脂質含有率約20%と比較しても、商業生産に向けた十分なポテンシャルを示す結果となった。

 同実証試験の成功により、同社の従属栄養培養によるバイオ燃料原料向けユーグレナの培養研究は、研究フェーズから実証フェーズへと進展した。今後は、さらなる高密度化とスケールアップ化に向けた実証を推進する。また、この技術は希少成分パラミロンや微細藻類オーランチオキトリウムの生産コスト低減にも応用可能で、大規模生産による飼料・肥料等の商業生産も視野に入れた研究開発を進めていく方針だ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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