鹿島が3Dモデル自動生成システムを開発、路橋床版更新の設計業務時間を10分の1に短縮

■現況と設計のずれを瞬時に把握し修正可能に、阪和自動車道で実証

 鹿島<1812>(東証プライム)は2月27日、道路橋の床版取替工事におけるプレキャストPC床版の3Dモデル自動生成システムを開発したと発表。このシステムは道路線形や鉄筋などの数値情報を入力するだけで、部材同士が干渉しない3Dモデルを自動生成する。さらに3D測量点群データを取り込み、現況と設計値のずれを把握して修正を容易にすることができる。「阪和自動車道雄の山第1橋他16橋橋梁更新工事」に適用した結果、設計業務時間が従来の約10分の1に短縮された。

 高度経済成長期に整備された国内の道路橋は供用から半世紀以上が経過し、各地で床版取替工事が進められている。プレキャストPC床版は約2mごとに分割され形状が異なるため、長さ500mの橋では約250枚もの床版が必要となる。これらを一枚ずつ手作業で作図するには膨大な時間がかかり、また供用中の床版の現況と図面にずれが生じていることも多い。開発したシステムは設計条件や数値情報を入力するだけで床版の3Dモデル化を行い、干渉しない配筋モデルも自動生成する。

 このシステムでは、建設当初の鋼桁手書き図面から読み取った数値を入力することで鋼桁の3Dモデルも生成でき、床版と鋼桁の干渉チェックを容易に行える。また測量データを取り込み差分解析を行うことで、橋梁全体の現況と図面のずれを瞬時に把握し、設計に反映することが可能だ。鹿島は今後、複雑な道路線形を有する橋梁や、プレキャストPC床版の製作および架設の施工計画へも展開するとともに、「スマート床版更新(SDR)システム」と連携させた情報化施工の技術開発も進めていく。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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