旭有機材と栗田工業、PFAS代替素材バルブの実証実験を開始、欧米の規制強化に対応

■欧米の規制強化を見据え、環境負荷低減技術の実用化を加速

 旭有機材<4216>(東証プライム)は、栗田工業<6370>(東証プライム)と共同で、半導体の超純水製造ライン向けバルブに用いるPFAS(有機フッ素化合物)の代替素材に関する検討を進めてきた。その成果として、2025年春から、PFAS代替素材を使用したバルブの実用化に向けた実証実験を開始すると発表。この取り組みは、欧米を中心に強化されているPFAS規制への対応と、環境負荷低減への貢献を目指すものだ。

 旭有機材は、軽量・不錆・長寿命を特徴とする樹脂製バルブの製造を手掛けており、幅広い産業分野で採用されている。しかし、従来の樹脂製バルブには、PFASを原料とする部品が含まれている。PFASは、その分解されにくい性質から、健康や環境への影響が懸念されており、欧米では使用制限の動きが加速している。こうした状況を踏まえ、旭有機材は、半導体分野の超純水製造ラインで使用されるバルブに着目し、溶出が少ないPFAS代替素材の検討を栗田工業と共同で進めてきた。社内評価において一定の耐久性が確認されたことから、この度、水処理装置における実証実験の開始に至った。

 今回の実証実験では、まずダイヤフラムバルブにおいてPFAS代替素材の有効性を検証する。さらに、将来的には配管部材についても共同開発を具体化し、実証を進めていく計画である。現在、樹脂製バルブに使用されているフッ素系高分子ポリマーは規制対象ではないものの、欧米ではPFASを包括的に規制する検討が進んでおり、将来的な影響が懸念されている。旭有機材は、「はじめて」に挑み「違い」をつくるという企業理念のもと、PFAS代替素材を使用した樹脂製バルブの早期実用化を目指し、社会課題の解決と持続可能な社会の実現に貢献していく構えだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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