大林組とKDDIエンジニアリングが協業、ローカル5Gが支える新丸山ダム建設、ケーブルクレーンの自動・自律運転に成功

■自律型コンクリート打設システム構築の第一歩が具現化

 岐阜県で進行中の新丸山ダム建設において、大林組<1802>(東証プライム)とKDDI<9433>(東証プライム)グループのKDDIエンジニアリングが連携し、ケーブルクレーンの自動・自律運転に成功したと発表。建設現場では、リアルタイムな映像伝送や遠隔制御を必要とする中、高速かつ安定した通信を実現するローカル5Gが採用された。2025年2月には、コンクリート運搬に用いるケーブルクレーンに無線端末を設置し、振動検知と自動制御による安定運転を確立。従来の熟練オペレータの技術に依存せず、安全性と施工品質を維持できる仕組みが整った。

 建設現場ではすでに2023年12月から10台の建設機械による自動・自律運転の実証実験を開始しており、ローカル5Gの高速通信や地形影響の少なさが確認されている。特にケーブルクレーンは縦横方向への揺動が発生しやすいが、新システムではフックに搭載されたカメラによる4K映像の監視と即時伝送が可能となり、安全性を強化。従来の無線合図に頼らない自動制御によって、作業の効率化と省人化に貢献している。

 ローカル5Gは、他通信との干渉が少なく、広範囲かつ高セキュリティな通信環境を独自に構築できる点で、建設DXの推進に適している。大林組は2024年10月にダム堤体の打設エリアに通信エリアを設け、KDDIエンジニアリングは屋外の建設現場で初の導入を実現した。今後はAIによる運転制御や打設量の自動算出など、映像データの利活用によるさらなる技術革新を目指しており、両社は多様な事業者と連携し、建設業界全体のDX推進に寄与していく方針である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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