企業におけるAIエージェント導入意向が鮮明に、生成AI活用企業の約6割が1年以内を計画

■生成AI活用企業の実態調査から、AIエージェントへの高い期待が明らかに

 Allganize Japanは、生成AIを導入している従業員規模100人以上の企業に勤める正社員および経営層1,000人を対象に、AIエージェント導入に関する調査を実施した。調査の結果、生成AIを業務活用している企業の約6割が1年以内にAIエージェントの導入を計画していることが明らかになった。企業はAIエージェントに対し、「複雑な業務プロセス全体の自動化」に高い期待を寄せている。

■認知層の6割が1年以内の導入を計画、AIエージェント市場、本格化へ

 生成AIの業務活用は現場レベルで着実に進んでいるものの、「全社的な活用」や「利用者のスキル格差」といった課題も浮き彫りになった。企業で導入されている生成AIの用途としては、「テキスト生成・校正・文章作成支援」が最も多く、次いで「一般情報からの検索」「社内文書・ナレッジベースの検索・質問応答」となっている。AIエージェントの認知度は、生成AI活用者の中でも二極化しており、約4割が詳細を知っている一方、約4割は言葉だけを知っているか、全く知らない状況だ。しかし、AIエージェントを認知している層の多くが導入を検討しており、その約6割が1年以内の導入を予定している。

 企業がAIエージェントに最も魅力を感じている点は、「複雑な業務プロセス全体の自動化」「外部システムとの連携」「自然言語での対話による業務フロー自動化」である。実際にAIエージェントで解決したい業務課題としては、「業務時間の短縮・残業時間の削減」「人材不足の解消」「データ活用の促進」が上位に挙がっている。すでにAIエージェントを導入している企業では、「データ収集・分析・洞察」「社内問い合わせ対応」「顧客サポート・接客支援」といった情報処理やコミュニケーションに関わる業務での活用が進んでいる。

 AIエージェント導入において企業が重要視する要素は、「社内システムとの容易な連携」が最も多く、次いで「短期間での効果実証」「低コストでの試験導入」となっている。調査結果から、AIの活用は「個人の業務効率化」から「組織全体の業務変革」へと進化する転換点にあり、AIエージェントは次世代のAIソリューションとして大きな期待が寄せられている。AIエージェントの普及には、導入のしやすさと既存システムとの連携が不可欠であり、これらが企業のデジタルトランスフォーメーションを加速させる鍵となると考えられる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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