クリナップ、25年3月期は大幅増益着地、原価低減と価格改定が奏功、26年3月期も増収増益予想

 クリナップ<7955>(東証プライム)は5月8日に25年3月期連結業績を発表した。前回予想(24年10月31日付で下方修正)を大幅に上回り、従来の減益予想から一転して大幅増益で着地した。原価低減効果に加え、販売価格改定効果も寄与した。26年3月期は増収増益予想とした。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。株価は地合い悪化の影響を受ける場面があったが、その後は反発の動きを強めている。高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、戻りを試す展開を期待したい。

■25年3月期は計画を上回り大幅増益着地、26年3月期増収増益予想

 25年3月期の連結業績は売上高が24年3月期比1.6%増の1299億87百万円、営業利益が61.5%増の20億70百万円、経常利益が44.8%増の26億21百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が17.1%増の17億19百万円だった。配当は24年3月期と同額の31円(第2四半期末13円、期末18円)とした。配当性向は65.0%となる。

 前回予想(24年10月31日付で下方修正、売上高1300億円、営業利益10億円、経常利益15億円、親会社株主帰属当期純利益9億50百万円)を大幅に上回り、従来の減益予想から一転して大幅増益で着地した。新設住宅着工の伸び悩みや原材料価格の高騰など厳しい事業環境だったが、原価低減効果に加え、販売価格改定効果も寄与した。部門別の売上高は厨房部門が0.1%増の1052億93百万円、浴槽・洗面部門が0.1%増の148億33百万円だった。

 なお全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が316億43百万円で営業利益が2億72百万円、第2四半期は売上高が318億88百万円で営業利益が1億07百万円、第3四半期は売上高が351億78百万円で営業利益が17億43百万円、第4四半期は売上高が312億78百万円で営業利益が52百万円の損失だった。

 26年3月期連結業績予想は売上高が25年3月期比6.2%増の1380億円、営業利益が20.7%増の25億円、経常利益が14.5%増の30億円、親会社株主帰属当期純利益が7.6%増の18億50百万円としている。配当予想は25年3月期と同額の31円(第2四半期末13円、期末18円)としている。予想配当性向は60.4%となる。

 新設住宅着工の伸び悩みなど厳しい事業環境が続くが、中期経営計画で掲げた「ファン化促進」や「専業力強化」などの重点施策を推進する。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。

■株価は戻り試す

 株価は地合い悪化の影響を受ける場面があったが、その後は反発の動きを強めている。高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、戻りを試す展開を期待したい。5月8日の終値は681円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS51円30銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の31円で算出)は約4.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1583円18銭で算出)は約0.4倍、そして時価総額は約255億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■ポケモンセンターヨコハマに続く2店舗目、地域活性化にも期待  丸井グループ<8252>(東証プラ…
  2. ■ベンチマークで高評価、企業向けLLMの新たな選択肢  リコー<7752>(東証プライム)は4月3…
  3. ■第1弾の渡航レポート公開、夢への挑戦を可視化  日本航空(JAL)<9201>(東証プライム)は…
2025年5月
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  

ピックアップ記事

  1. ■スタンレー電気など年初来安値銘柄の業績見通しに焦点  日経平均株価が4月に大幅下落する中、年初来…
  2. ■トランプ劇場、急転換の舞台裏!米中摩擦、FRB人事…予測不能な変幻自在  「クルマは急に止まれな…
  3. ■5大商社決算発表を前に高まる投資家の期待感  世界三大投資家の一人ウォーレン・バフェットが日本の…
  4. ■「市場の反乱」の一段落で「市場の勝利」を期待しバフェット流に商社株にバリュー株投資も一考余地  …
  5. ■株価55%高もまだ割安!?記念優待利回り10%超の注目株  10日には米国の関税発動停止を受け、…
  6. ■一喜一憂の投資家心理、トランプ関税「一時停止」の罠  まずフェイクニュースかと目と耳を疑った。次…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る