シャープとNEDO、映像データ処理用AIデバイス向け高位合成ツールを開発

■回路設計期間大幅短縮と電力効率40倍向上を実証

 シャープ<6753>(東証プライム)は5月30日、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)と、エッジコンピューティング向けのAIデバイス設計を効率化する高位合成ツールを開発し、オープンソースとして公開したと発表。同ツールはPythonコードからFPGA用の回路設計(RTLコード)を約5分で自動生成可能で、従来の専門技術者による6週間の設計期間を大幅に短縮。さらに、生成した回路を実装したFPGAは、GPU搭載端末と比べ電力効率が40倍以上向上することを実証した。

 ツールの特徴は、(1)フレームメモリ不要の「ラインメモリ構造」、(2)4次元演算器による高速処理、(3)境界バッファによる並列効率化、(4)固定小数点演算回路の採用――の4技術。これにより、4K→8K超解像処理で0.374TOPS/W(GPU比47倍)を達成。映像データの特性に最適化した設計で、リアルタイム処理と省電力化を実現している。

 シャープは同ツールをOSS化し、医療・製造・インフラ保全など多分野での活用を想定。NEDOは2024年度までに省エネAI半導体の開発を継続し、エッジ領域の高度化を推進する。両者はAI処理のエッジ端末への普及が、データセンターの電力課題解決に寄与すると期待している。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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