カイオム、日東紡績と抗体作製契約を締結、治療薬開発支援へ向けた新たな一手

■ADLib技術が創薬支援の中核に

 カイオム・バイオサイエンス<4583>(東証グロース)は6月2日、日東紡績<3110>(東証プライム)との間で業務委託基本契約を締結したと発表した。同契約により、カイオムが保有する抗体作製技術「ADLibシステム」を活用し、日東紡績が標的とする抗原に対応する抗体の取得や、その親和性向上などを受託業務として実施する。これにより、カイオムは技術提供の対価を得る形となる。

 契約相手である日東紡績は、グラスファイバー製品や化学工業製品、医薬品の製造・販売を手がける老舗企業である。所在地は福島県福島市。資本金は196億9900万円(2025年3月31日現在)。2025年3月期の連結業績では、売上高1090億3500万円、営業利益164億4500万円、当期純利益は128億3700万円と大きく伸長している。両社間に資本関係、人的関係、取引関係はなく、独立した立場での業務提携となる。

 今回の契約が2025年12月期業績に与える影響は現在精査中であるが、カイオムは同件が将来の収益基盤の強化につながると見込んでいる。「ADLibシステム」は、ニワトリDT40細胞を用いた抗体遺伝子の組換え活性化技術に基づき、迅速な抗体作製、多様な抗体の生成、そして高い結合力をもつ抗体の取得が可能とされる。同システムはカイオムの登録商標であり、創薬支援の有力な技術基盤として注目されている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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