NTTと新潟大学が遠隔触診の共同研究を開始、触感を伝える新技術で医師不足解消を支援

■患部の柔らかさを再現、触診のデジタル化へ

 NTT(日本電信電話)<9432>(東証プライム)と新潟大学は6月30日、遠隔触診技術の確立に向けた共同研究を開始したと発表した。患部の柔らかさや感触を再現する技術を構築し、地域における医師不足や医療サービスの偏在といった課題の解決を図る。研究期間は2026年3月末までで、下肢浮腫を対象に、触診所作をデジタル化するための要素技術を検証していく。

 新潟県は全国でも医師が不足する地域に位置づけられており、特に高齢化と人口減少が進む中で、医療提供体制の持続可能性が課題となっている。視診・聴診とともに重要な診療行為である触診は、遠隔医療において再現が困難とされてきた。本研究では模擬患者を用いて医療従事者の触診所作を各種センサで記録し、押し具合や動きの特徴を抽出。人の手を介して得られた触感を、ピンアレイ型の再現デバイスを通じて遠隔地で再現する技術の実用化をめざす。

 研究においては、新潟大学が触診に関する知見やデータ分析、NTTがシステム構築や再現手法の設計を担う。将来的にはNTTグループによる実証実験を経て、地域医療現場での導入を視野に、医療機器としての認証取得も進める方針。同社と同大学は、これまでも医療文書作成支援AIの開発などで協業しており、複合的な視点から医師不足の課題解決に取り組んでいる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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