綿半ホールディングス、第1四半期は堅調な小売事業が業績を支える、11期連続増配継続の見込み

 綿半ホールディングス<3199>(東証プライム)は7月24日に26年3月期第1四半期連結業績を発表した。建設事業の前期の反動などで営業・経常減益だが、小売事業は順調だった。そして通期増益予想を据え置いた。各事業とも伸長する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価はやや反発力の鈍い形だが、一方では下値を切り上げている。調整一巡して出直りを期待したい。

■26年3月期1Q営業・経常減益だが通期増益予想据え置き

 26年3月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比1.9%増の324億16百万円、営業利益が17.4%減の6億83百万円、経常利益が5.5%減の8億13百万円、親会社株主帰属四半期純利益が4.7%増の6億45百万円だった。

 建設事業の前期の反動などで営業・経常減益だが、小売事業は順調だった。なお営業外収益では出資金運用益が59百万円増加(前期は5百万円、当期は64百万円)し、特別利益では前期計上の負ののれん発生益51百万円が剥落した。また法人税等の減少により四半期純利益は増益だった。

 小売事業は売上高(外部顧客への売上高)が0.9%増の198億68百万円、営業利益(全社費用等調整前)が6.7%増の6億05百万円だった。小幅ながら増収増益と順調だった。ECサイトの売上伸長などのほか、物流コストの削減なども寄与した。

 建設事業は売上高が2.4%減の100億円、営業利益が71.2%減の86百万円だった。リニューアル工事が大幅に伸長していた前年同期との比較では大幅減益だったが、受注は堅調に推移した。

 貿易事業は売上高が6.7%減の15億62百万円、営業利益が26.5%減の1億25百万円だった。前年同期との比較では納入時期の違いにより減収減益だが、概ね計画水準だった。その他事業(不動産事業等)は売上高が4.6倍の9億84百万円、営業利益が5.0倍の98百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて売上高が前期比4.0%増の1390億円、営業利益が9.7%増の38億40百万円、経常利益が4.9%増の40億円、親会社株主帰属当期純利益が10.7%増の23億円としている。配当予想は前期比1円増配の30円(期末一括)としている。11期連続増配予想で予想配当性向は25.3%となる。なお前期の29円には上場10周年記念配当5円が含まれているため、普通配当ベースでは前期比6円増配の形となる。

 セグメント別の計画は、小売事業の売上高が前期比1.8%増の806億63百万円で営業利益が11.3%増の19億60百万円、建設事業の売上高が8.1%増の483億84百万円で営業利益が8.0%増の19億43百万円、貿易事業の売上高が0.7%増の78億90百万円で営業利益が11.3%増の9億54百万円としている。

 26年3月期も増収増益で連続増配予想としている。各事業とも順調に伸長する見込みだ。第1四半期の進捗率は売上高23%、営業利益18%、経常利益20%、親会社株主帰属当期純利益28%とやや低水準の形だが、期初時点で下期偏重の計画としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は調整一巡

 株価はやや反発力の鈍い形だが、一方では下値を切り上げている。調整一巡して出直りを期待したい。7月24日の終値は1635円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS118円81銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の30円で算出)は約1.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1200円54銭で算出)は約1.4倍、そして時価総額は約326億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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