エイトレッド、26年3月期1Q増収増益と順調、クラウドサービスが順調に拡大、9期連続増配へ

 エイトレッド<3969>(東証スタンダード)は7月24日に26年3月期第1四半期業績(非連結)を発表した。クラウドサービスの拡大が牽引して増収増益と順調だった。そして通期2桁営業・経常増益予想を据え置いた。クラウドサービスが順調に拡大し、前期の一時的な減価償却費が減少することも寄与する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は急伸して安値圏でのモミ合いから上放れの形となった。好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。

■26年3月期1Q増収増益と順調、通期2桁営業・経常増益予想据え置き

 26年3月期第1四半期業績(非連結)は、売上高が前年同期比8.4%増の6億95百万円、営業利益が4.4%増の2億23百万円、経常利益が4.4%増の2億23百万円、四半期純利益が1.8%増の1億42百万円だった。

 クラウドサービスの拡大が牽引して増収増益と順調だった。製品別売上高は、Cloudがユーザー数増加やパッケージ型からの移行により31.2%増の4億円、AgileWorksが商談長期化影響により10.2%減の2億44百万円、パッケージ型X-pointがクラウドへの移行に伴う新規ライセンス販売終了(22年3月)により20.7%減の51百万円だった。クラウド比率は10.0ポイント上昇して57.5%、ストック売上比率は5.6ポイント上昇して90.0%となった。

 営業利益10百万円増益の変動分析は、Cloud売上増加で95百万円増益、パッケージ売上減少で41百万円減益、人件費増加で19百万円減益、積極的な製品開発投資に伴う減価償却費増加で14百万円減益、広告宣伝費増加で16百万円減益、その他で5百万円増益だった。

 通期業績(非連結)予想は据え置いて売上高が前期比12.8%増の31億20百万円、営業利益が10.6%増の11億70百万円、経常利益が10.3%増の11億70百万円、当期純利益が7.6%増の7億84百万円としている。配当予想は前期比2円増配の34円(第2四半期末17円、期末17円)としている。9期連続増配予想で予想配当性向は32.5%となる。

 売上高に占めるクラウド比率を50%超に引き上げることを目指し、パッケージベンダーからSaaSベンダーへの変革を推進する。また顧客単価の向上を図るとともに、解約防止により80%超のストック売上をより強固なものとするため、ユーザーコミュニティによりカスタマーサクセスの強化を推進する。

 製品別売上高の計画はCloudが28.6%増の17億49百万円、AgileWorksが3.4%増の12億02百万円、新規ライセンス販売終了のパッケージ型X-pointが30.8%減の1億67百万円としている。Cloudは主力のX-point Cloudがパッケージ型からのシフトや新規顧客獲得により拡大基調である。AgileWorksクラウド版については25年4月1日より提供プラン変更(価格体系見直し)を実施した。認知度向上により下期から導入が加速する見込みだ。AgileWorksについてはバージョンアップやアップセルを推進する。パッケージ型X-point(27年3月サポート終了予定)については、クラウドやAgileWorksへの移行を推進する。

 営業利益1億12百万円増益の変動計画は、Cloud売上増加で3億88百万円増益、パッケージ売上減少で35百万円減益、人件費増加で1億12百万円減益、積極的な製品開発投資に伴う減価償却費増加で64百万円減益、クラウドインフラコスト増加で25百万円減益、その他で40百万円減益としている。

 26年3月期は2桁営業・経常増益予想、9期連続増配予想としている。クラウドサービスが順調に拡大し、前期の一時的な減価償却費が減少することも寄与する見込みだ。第1四半期の進捗率は売上高22%、営業利益19%、経常利益19%、当期純利益18%とやや低水準の形だが、期末に向けてストック収益が積み上がる収益構造であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は急伸してモミ合い上放れ

 株価は急伸して安値圏でのモミ合いから上放れの形となった。好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。7月24日の終値は1496円、今期予想PER(会社予想のEPS104円71銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の34円で算出)は約2.3%、前期実績PBR(前期実績のBPS676円40銭で算出)は約2.2倍、そして時価総額は約112億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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