アンジェス、ベーリンガーとHGF遺伝子治療製品の製造契約を締結、臨床試験完了、BLA申請準備を加速

■世界2億人が罹患するPAD治療に新たな選択肢

 アンジェス<4563>(東証グロース)は8月20日、末梢動脈疾患(PAD)治療を目的に開発中のHGF遺伝子治療用製品について、ベーリンガーインゲルハイムのバイオ医薬品受託製造部門BioXcellence™と原薬に関する受託開発・製造契約を正式に締結したと発表した。同製品は臨床試験を完了しており、生物製剤承認申請(BLA)に向けた準備が進行中である。ベーリンガーは独自の微生物技術を活用し、オーストリア・ウィーン拠点でプラスミドDNAを製造する。両社は約20年前から臨床試験用供給で協業してきた経緯があり、今回の契約で商用段階へ進む体制を固めた。

 PADは世界で2億人が罹患しており、潰瘍や感染症、最終的には下肢切断を引き起こす深刻な疾患である。研究報告では切断後5年生存率が肺がんに次いで低いことが示され、早期段階での治療開始が強く推奨されている。HGF遺伝子治療製品による早期治療は、潰瘍や切断のリスクを減らし、患者の生活の質改善や合併症予防に貢献する可能性があるとされる。アンジェスとベーリンガーは、米国食品医薬品局(FDA)とのプレBLA会議に向けた情報提供を進めており、承認取得を見据えて開発を加速させるとしている。

 両社の代表はそれぞれ、国際的な製造技術や信頼性を基盤に規制当局の承認獲得を目指す姿勢を強調した。アンジェスは今回の契約が中期的な企業価値の向上につながるとみており、2025年度の業績予想には変更はないとした。ベーリンガーは世界的にバイオ医薬品製造を展開しており、45品目以上の商用製品を供給した実績を有する。今回の協業は、革新的治療法の普及と患者への早期提供を目指す両社の戦略的な一歩となる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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