パス、ビットコインを試験購入、新たな投資対象の有効性を検証

■デジタル・ゴールドの地位確立を背景に、新資産クラスを評価

 パス<3840>(東証スタンダード)は8月26日、新たな投資対象の検討を目的に、ビットコインを試験的に購入することを決議したと発表した。購入額は自己資金による1,000万円で、2025年9月から12月までの4カ月間にわたり実施する。同社は系統用蓄電池用地やデータセンター用地などの事業用不動産を中心にインベストメント事業を展開しており、今回の決定は株主価値向上を目的とした新たな資産クラスの評価プロセスと位置づけられている。

 暗号資産はかつて価格変動の激しさや運営主体の不透明さから懐疑的に見られていたが、各国の制度整備の進展により市場での存在感を高めている。特にビットコインは一部の国で法定通貨に採用され、米国では2024年1月に現物ETFが承認されるなど「デジタル・ゴールド」としての地位を確立しつつある。同社はこうした動向を踏まえ、投資資産としての有効性を検証するために試験購入を行う。購入のタイミングや額は外部アドバイザーの助言も踏まえ決定し、相場変動時には協議を行い対応方針を策定する。価格下落リスクへの備えとして、30%の下落時にロスカットを行う社内ルールも設ける。

 さらに、今回の購入は今後の海外取引先との決済手段としてビットコイン活用を想定した訓練的側面もある。試験的購入で得られた知見は、同社グループ内での暗号資産取り扱い基準や規定策定にも活用される予定である。購入後は四半期ごとに時価評価を実施し、損益を損益計算書に反映させる方針で、連結業績に影響が生じる場合は速やかに開示する。同社は今後、投資の本格化や撤退を判断した場合にも適時に情報開示を行うとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■環境要因は50%、漁獲圧は25%、状態空間モデルで初の定量評価  東京大学は11月1日、日本周辺…
  2. ■ドジャース、球団史上初の2年連続制覇  ロサンゼルス・ドジャースは、2025年MLBワールドシリ…
  3. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■金利環境改善が銀行株に追い風、逆張りの買いも有力視  今週の当コラムは、銀行株に注目することにし…
  2. ■「トリプル安」も怖くない!?逆張りのバリュー株ローテーションからは銀行株になお上値余地  「神風…
  3. ■気温急低下がシーズンストック相場発進を後押し  今週のコラムでは、バリュー株選好の別の買い切り口…
  4. ■「押し」のAI株より「引き」のバリュー株選好で厳冬関連株の先取り買いも一考余地  「押してだめな…
  5. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  6. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る