【編集長の視点】日本創発グループは続落も高値から2割調整で4倍増配の権利取りに一考余地

 日本創発グループ<7814>(東証スタンダード)は、前日1日に7円安の884円と続落して引けた。同社株は、今年8月13日に今2025年12月期第2四半期(2025年1月~6月期、2Q)累計決算とともに、今期配当の増配を発表し、増配幅が期初予想の4.2倍となることがサプライズとなり、窓を開けて年初来高値1087円へ99%高したあと、信用取引規制も重なり利益確定売りが先行した。ただ同安値水準での配当利回りは、6.78%と東証スタンダード市場の高配当利回りランキングで第3位、全市場ベースのランキングでも第10位にランクインするだけに、キャピラルゲイン妙味よりもインカムゲイン妙味を示唆しており、配当権利取りも一考余地がありそうだ。投資格言の「二割、三割は向かう理と知れ」からも、高値から20%調整の足元は打診買いのタイミングを示唆している。

■固定資産売却益の有効活用で3Q・期末配当は各3.5円が26.5円へ

 同社の今12月期業績配当は、今年1月5日に上場10周年を迎え、さらに合計49億円に達する固定資産売却益を有効活用することを目的に大幅増配が予定されている。年間配当を期初予想の14円(前期実績13円)から60円へ4.23倍の大幅増配とする。しかもこれを四半期配当で実施する予定であり、第1四半期・第2四半期の各3.5円が、第3四半期・期末に各26.5円(期初予想各3.5円)へ増配する。この大幅増配に伴い配当利回りも、6.78%と大幅に上昇し、全市場全銘柄の高配当利回りランキングでも第10位にランクインする。

 一方、今12月期2Q累計業績は、売り上げ410億9600万円(前年同期比7.3%増)、営業利益13億2000万円(同42.0%減)、経常利益14億9300万円(同30.0%減)、純利益16億5300万円(同52.7%増)と増減マチマチで着地した。売り上げはM&Aによりグループ会社化したクリアファイルのシルキーアクト(東京都北区)や卓上カレンダーのトラスト(名古屋市南区)、今年4月の139名の新卒入社などで続伸し、純利益も固定資産売却益の計上で大幅増益となったが、営業利益、経常利益は付加価値の増加や内製化比率向上に向けて先行して人件費を見直し売上高営業利益率が、前年同期の5.9%から3.2%に低下したことで伸び悩んだ。今12月期通期業績は、期初予想を据え置き売り上げ850億円(前期比6.1%増)、経常利益36億円(同17.3%減)、経常利益32億円(同23.8%減)、純利益55億円(同91.5%増)と見込み、純利益は、前期の過去最高(28億7100万円)を大幅に更新する。

■配当利回りは6.7%と上値余地も示唆し分割落ち前の最高値も意識

 株価は、今期純利益の連続過去最高更新予想やM&Aで500円台上位まで上ぶれ80円幅のボックス相場を続けてきたが、大幅増配発表とともに2日間のストップ高を交えて年初来高値1087円まで99%高とぼぼ倍化し、2019年12月の株式分割の権利落ち後高値を更新した。配当利回りは、なお6.78%と高配当利回りランキングの上位にランクインしていることからインカムゲイン妙味とともにも上値追いのキャピタルゲイン妙味も示唆している。年初来高値奪回から、株式分割権利落ち前の上場来高値1491円も意識されよう。(情報提供:日本インタビュ新聞・インベストメントナビゲーター:株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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